陶芸用語 索引−「に,ニ」
- 煮え
- ニエ
- 釉にときたま起こる欠点で、沸騰の状態にある時に突然、固化したような外観を示す。原因は釉、素地あるいはエンゴーベから蒸気その他のガスが逃げることによるもので、釉は溶融しているがまだ十分に流動性を示さず、釉内の気泡を封じ込めることができなくて破裂するためである。
- 膠
- ニカワ
- 不純なゼラチンをいう。
- 二閑人
- ニカンジン
- 器物の台脚や口縁などに人形二つをつくり付ける意匠をいう。
- 二級品
- ニキュウヒン
- 簡単には発見できない小さな欠点のある陶磁器製品。
- 濁し手
- ニゴシデ
- 佐賀地方の方言で「米の研ぎ汁」の事を濁しと言い、柿右衛門の素地の白さは米の研ぎ汁のような温か味のある白さであることから「濁手」と呼ぶ。
作品の特徴は、白い磁肌を多く残しながら赤絵を描く手法。1650年頃よりオランダ東インド会社により広くヨーロッパに紹介される。1971年には濁手の製陶技術が国の重要無形文化財の指定を受ける。
- 二彩古九谷
- ニサイコクタニ
- 上絵に紺青と赤を使わず、黒線上に紫、黄、緑だけで描いたのが三彩古九谷で、さらにその紫も用いずに黒描の上を緑と黄の二色だけで塗ったもの。
- 錦窯
- ニシキガマ
- 錦窯(キンガマ)に同じ。
- 錦付
- ニシキヅケ
- 陶器に上絵具で文様を描くこと。
- 錦手
- ニシキデ
- 白釉などを施した陶磁器に、不透明な赤絵を主軸に、緑、黄、紫、青などの透明釉で上絵をつけたもの。古伊万里などによく見られる。錦手に金泥や金箔を加飾した絢爛たるものは金襴手という。
- 二重掛け
- ニジュウガケ
- 異なった釉を重ねて掛けること。
- 二重高台
- ニジュウコウダイ
- 高台の輪形の中にさらに一本溝の入ったもの。大振りで高台の太い志野や織部茶碗にみられる。
- 日本六古窯
- ニホンロッコヨウ
- 備前(岡山県)、丹波(兵庫県)、信楽(滋賀県)、常滑(愛知県)、瀬戸(愛知県)、越前(福井県)この六古窯説は、小山富士夫によって提唱された。
- 乳濁性
- ニュウダクセイ
- 不透明性(ふとうめいせい)。透明性と反対の現象。
- 乳濁釉
- ニュウダクユウ
- 不透明釉(ふとうめいゆう)。透明性のない釉の総称。一般に乳濁剤を加えた釉で、この場合加える釉よりも乳濁剤の方がはるかに高い屈折率を持っている時に得られる。
- 入留
- ニュウドメ
- 貫入を留めるために素地に加える珪酸質原料。素地の収縮を少なくするためにも用いる。
- 乳白色釉
- ニュウハクショクユウ
- 乳白釉(にゅうはくゆう)。白色乳濁釉に似た釉。乳濁釉よりも一層透光性があり、一般に、入っている乳濁剤の量が少ないか、あるいはこの種の物質が結晶質であるものをいう。
- 人形手
- ニンギョウデ
- 中国青磁茶碗の一種。
- 仁清
- ニンセイ
- 野々村仁清。江戸初期の京焼の巨匠。仁清の華美で優雅な作風は、その時流とマッチし、併せて卓越した轆轤技術と清新で瀟洒なデザイン、明るい色調による着彩、柔軟な筆使いなどを京焼の色絵上絵付技法に生かし、新様式を開く陶工として高い評価を受けた。