• 北陸
  • 越前焼

熊野 九郎右ヱ門Kumano Kurouemon

1955年6月生まれ

〒916-0024 福井県鯖江市長泉寺町1-2-25
TEL.0778-51-9096
「熊志乃旅枕」
「熊志乃旅枕」800,000円
渋谷・黒田陶苑 個展DMより
「熊志乃茶碗」
「熊志乃茶碗」400,000円
「熊志乃尺二皿」
「熊志乃尺二皿」100,000円

作家写真

plofile

1955年
福井県に生まれる
名古屋造形芸術短大で日本画を学び、卒業
76年
越前の窯元にて修行
82年
戸田宗四郎に師事
85年
旧ソ連、サハリンへ招待される
87年
「陶房・旅枕碗寮」を築き、以降、全国各地での個展活動をはじめる
2000年
ドイツ外務省より招待を受けドイツに渡る
●主な作品のテーマ
溶破寸前の「ドロドロ」とした美
●主な制作技法
ロクロ
●胎土の種類
福井県・越前産(珪石粘土、珪酸アルミニウム白粘土)
●主に使用する窯の種類
穴窯
●師
戸田宗四郎
●工房見学
可(JR北陸本線鯖江駅下車)
●Message
私は一貫して想っています。何がやきものなのか? 何が化けものなのか? そして、声はどこから聞こえるのか…。1520度の窯の中から生まれる極限のやきものに、人生を写してほしい。泣く心を持ってほしい。そして生まれ変わってほしい。
〜極限状態の土に探る、やきものの普遍的な美しさ〜
 おそらく「美」や「生」の核心は、極まったなかに、ほんのわずかに幻影のように見え隠れするものに違いない、と熊野九郎右ヱ門氏は考えています。それらを踏まえて、陶芸家として自身に投げかけている大命題のひとつに、『やきものと、化け物の境は、どこにあるのか?』があります。
 残念ながらこれには唯一無二の解答がなく、豊富な経験と知識、鋭い感性などをもった個々の人間が、鑑賞家としてのそれぞれの立場で判断を下すものでしかありません。しかし、作家・熊野氏が目指すものは、あくまでも「美」の普遍性です。
 そういった疑問と思索をベースにして作られる一連の作品群は、「旅枕」や「地蔵」などと呼ばれる「花入」、または「壺」「茶碗」らの意識的な力強い造形と、越前産の土が崩れるばかりに焼き切った末に得られる自然な形態が相まみえて、他を圧倒した特異な特徴を現します。野趣のある、とか、ダイナミックななどという形容が虚しいほどの作域ですが、しかし、きっちりと食の器や道具としての用途も考慮して作られていて、どれもが生命感あふれた作品ばかりです。
 焼成というプロセスそのものを探索しながら、不断に美を求める熊野九郎右ヱ門氏を見ていて、これこそが、知らずうちに忘れかけてしまっている「原初の陶芸家」のあり様だったはずだと、思わされることしきりです。
の目
何万人もの人と作品を見つめ指導を行う中で、一握りの土が姿を現した時、常々この人にしてこの形ありと思うものであるが、これほどまでに作品イメージと人物像が一致するのは極限に迫る故であろうか。

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