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常滑を深〜く知るための秋の祭典!
「あっちべたこっちべたフェスタ」は常滑やきもの散歩道界隈で繰り広げられる秋の大イベント。旧常滑高校で開催される「とこなめ窯屋まつり」をはじめ、陶器店の「ヤマタネ」、常滑焼のショッピングモール「セラモール」、「常滑焼急須会館」など計10か所の会場で様々なイベントが同時開催されます。フェスタの主な会場をつなぐのは常滑駅から出発する「とことこバス」。約30分毎に運行、一日乗り放題券大人500円を利用して各会場を巡ります。常滑の隅々まで巡るコースが用意され、各会場を制覇すればあなたも常滑ツウ間違いなし!





新しい常滑陶芸を発見できる場所
とことこバスの経路に沿って「とこなめ窯屋まつり」からフェスタスタートです。
最寄のバス停は「INAXライブミュージアム」。バス停から徒歩5分、会場となった旧常滑高校で茶器部門、一般部門に分かれ作品を募集した長三賞陶業展が開催されました。体育館に並べられた作品群は常滑焼の現在の姿を示すものとして来場者の視線を集めていました。
校舎前には屋台がちらほら。餅やおにぎりなどの販売のほか、タイル絵付けの体験ができるテントも用意されていました。



INAXライブミュージアム周辺の風景
道路沿いに
何気なく置かれたオブジェ。
日常にアート溶け込んでいるのが
常滑の特徴。
遠くには煙突が。

こちらの塀は
常滑ではもうお馴染みの光景。



常滑といえば…招き猫! 
常滑の看板娘!? といえるのが招き猫。常滑は招き猫生産量日本一なんです。左手を上げていると人を招き、右手を上げるとお金を招くとか。真偽は定かではありませんが、この縁起ものの招き猫をあちらこちらで見つけられるのが常滑的光景。そんな招き猫を主役にイベントを開催したのが陶器店の「ヤマタネ」です。最寄りのバス停からは徒歩10分、道が合っているのか不安になった頃に出迎えてくれる巨大招き猫を目印に店内へ。最初に目に飛び込んできたのが、招き猫作りの実演です。さらに奥へと進むと店内は招き猫で埋め尽くされていました。




土からの招き猫作りを実演されていたのは職人・伊奈武八氏。目を細めてほほ笑む柔和な表情の招き猫です。黙々と土を削る姿に足を止めて見入ってしまいました。まさに職人芸です。




18店舗が集結、常滑焼のショッピングモール
INAXライブミュージアムからバスで15分、陶器店が軒を連ねる「セラモール」へ到着です。敷地面積50,000平方メートルという広さに18軒の陶器店が集まり、常滑の観光名所の一つとなっています。フェスタでは「セラモール秋のイベント」と題して、24日はJAZZライブコンサート、翌25日はふれあい動物園を開催。常滑駅から少々距離があり、日頃は足を運べないという方もセラモールを楽しむ良い機会です。

超ミニチュアサイズの茶器セット。隣に置かれた通常サイズの急須が巨大に見えます。
こちらは一見いたって普通の急須に見えますが、この茶こし、実は陶器なんです。陶器とは思えない薄くて軽い仕上がりに持つ手が震えましたが、常滑ではこのような高度な技術を受け継いだ職人たちが常滑急須の伝統を守り続けています。


常滑急須を知るための急須専門店
セラモールからとことこバスでやきもの散歩道入口へ。ここからは徒歩で残りの会場を巡ります。そして、バスを降りてすぐ目に入るのが常滑焼急須館です。
パネルや映像で常滑急須のできるまでを紹介しています。
急須ばかりが並ぶ店内、伝統的朱泥急須も良いですが、便利な蓋なし急須に興味をひかれました。
「オープン急須」という、名前通りの蓋のない急須です。深蒸し茶を淹れる場合、急須に蓋をしなくても味はほとんど変わらない、むしろ、湯温が適度に下がって良いのだそうです。何より、入口が大きくて茶がらが捨てやすいのがうれしいですね。
常滑焼急須館を出て次の会場へ。信号待ちでふと足元を見ると猫用の足型が! 招き猫の街だけに…と妙に納得です。こんな巨大な水がめもあちらこちらで見ることができます。




板塀の古い街並みのなかで、新しい常滑を発見。
大正時代に完成した「一木橋(いちきばし)」を抜けると、板塀の古民家が立ち並ぶ映画のセットのような空間が広がっていました。建物内は陶器や雑貨、家具が並ぶショップやカフェなど。一つ一つにオーナーのこだわりが感じられる個性的な品々が並び、お店の中もとってもおしゃれ。お客さんたちも若い人が目につきます。常滑焼にプラスして若手を中心に常滑を活性化していこうとするエネルギーが感じられるスポットです。
メイン会場へ着くまでについつい寄り道したくなるお店がいっぱいです。
メイン会場には地元のおいしいものが勢揃い。お昼時とあって賑わいを見せていました。知多牛ハンバーガーや知多の海で採れた海鮮焼きに目を奪われました。
一木橋の通りから小道をはいると「やきもの散歩道」です。ギャラリーをのぞきながら狭い道を右へ左へと進んでいくと登り窯広場ではビンゴ大会が行われていました。近所のお年寄りや子供たちが参加するアットホームな雰囲気。地元の人が積極的に参加しているのがこのフェスタの大きな特徴かもしれません。



まとめ  「あっちべたこっちべたフェスタ」とはいったいどんなお祭りかな? と思いつつ参加してみました。とことこバスで各会場を巡りながら、常滑の街を散策して、なるほどこれは常滑を知るためのお祭りだと実感。やきもの散歩道だけと思っていた土管や煙突のある風景は街のすみずみに自然と存在し、常滑焼と共に暮らす人々の日常を肌で感じることができました。
 フェスタの恩恵はもう一つ、日頃閉じているお店やギャラリーを一挙に見られること。特に、やきもの散歩道のお店は土日のみのオープンや不定休といった調子で、休業日が様々。せっかく行ったけど見られなかったということもこれまでに何度か経験しました。しかし、今回はフェスタということで各店舗どーんとお店を開けて賑わっていました。この機会に新しいお店を発見すれば、フェスタ終了後も楽しめますね。

「あっちべたこっちべた」とはあちら側やこちら側といった意味だとか。まさしく常滑のあちらやこちらを見て歩くお祭りでした。(KANA)




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