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壺屋のやむちん通り入口にある壺屋焼物博物館。

抱瓶は携帯用の泡盛容器。
(壺屋焼物博物館にて)

壺屋焼の巻 (つぼや) 
 壺屋は、読谷(よみたん)と並んで沖縄のやきものの聖地。 その壺屋焼と聞けば、皿や壺に描かれた大らかな魚の文様がすぐに思い浮かびます。 化粧泥にくっきりと線彫りされ、コバルトや飴釉、赤絵で彩色された絵はとてもエキゾチックで、琉球文化の存在感をつくづくと感じさせてくれるのです。 今回は、そんな魚文にズーム・アップ!
 魚、エビ、カニなどの海の生き物はたしかに壺屋焼の代表的な図柄ですが、ほかにも草花文、唐草文、鳥文などの多彩な意匠が伝統的に描かれてきました。 そんななか魚文が私たちに強く印象付けられたのは、やはり、沖縄初の人間国宝・金城次郎の影響が大きいのでしょう。
 地元では「次郎さん」と親しまれ、一陶工として生きた人。 20代からものづくりとしての頭角を現し、作るもの、描くものには比類のない躍動感が溢れていたと今も語り継がれています。 その天賦の才を示すエピソードが一つ。 壺屋焼を世に知らしめた民芸派の巨匠の一人であり、自らも「沖縄で学んだ」と語るほど壺屋のやきものを評価した濱田庄司は、「次郎以外に笑った魚や海老を描ける名人はいない」と賞賛したそうです。 その作品の一端が「壺屋焼物博物館」に展示されています。
 時を経て磨かれてきた魚文。 壺屋ではぜひ、笑顔の魚文を見つけてみませんか。




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