「ホントにこれ、全部皆さんが作ったの?」とか、「どこかで集めてきた作品なの?」などは、観覧者が感じる素直な疑問のようです。 そして今展ではその後に、「よくできていますね〜」とか「感動しました!」という感嘆の声が湧き上がりました。
来場したプロ陶芸家も、じっくりと見て廻ってから、「刺激を受けるよ」と感想をいっていましたから、出品作の多くは、見る人に向けて何らかの熱をスパークさせているのでしょう。
確かに、手捻り躍動感ある造形に仕上げた作、ロクロを使って流れるようなカーブを描くもの、さらに、完成度の高い現代的な造形作品や、心地よく使えそうな実用本位の食器など多士済々です。
また陶芸の技法書が刊行できると思えるほど、様々な技術が用いられていて驚きです。 陶芸に対する向上心や、旺盛な創作欲があればこそです。
そしてそれらの背景にあるのは、岡本立世総長が築いて確立された的確な指導法であり、それに則り、ベテラン講師陣が生徒の皆さんをフォローして導き、次のステップへと押し上げているのです。
つまり九炉土展の歴史とは、生徒の皆さんの作陶欲と向上心、岡本総長と講師の専門的な支えと情熱の循環形そのものなのだなと思いました。 ■ |