■積み上がる歴史
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九炉土の姉妹校「陶芸指導プロ養成塾」で学ぶ現役在校生が、権威ある公募展「日本新工芸展」に入選したという朗報が、飛び込んできました。 そのニュースを聞いてすぐ、またひとつ、九炉土の歴史が積み上がる重みのようなものを感じました。
そこで早速、日本新工芸展の会場、東京 ・六本木の「国立新美術館」に取材に出かけました。 港区六本木地区は、この国立新美術館を中心に、赤坂から転居してきたサントリー美術館(東京ミッドタウン)、森美術館(六本木ヒルズ森タワー)の三館が集結し、
「六本木アート・トライアングル」と呼ばれる首都の新しい美術の拠点になろうとしているエリアです。
ガラス張りの、うねるような斬新で、印象的なフォルムをした美術館を見上げると、圧倒的な存在感があります。 世界的な建築家 ・黒川紀章氏(1934-2007)の設計です。
そういえば黒川氏といえば、以前、九炉土に通っていて、初心者コースから上級まで進み、その後は、自宅に窯を置いて通信講座を受講していたという事実は、あまり知られていないかもしれません。
なんだか不思議な縁を感じてしまいます。 |
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河合誓徳(日本新工芸家連盟会長)
「壽」 高6.9 径64.0×37.5p |
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加藤幸兵衛(同連盟理事相談役)
「褐釉透彫四方器」 高22.0 径65.0×32.0p |
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陶芸部門の一般公募作品は60点余しか入選しない狭き門でした。 |
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■的確な指導による成果
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藤松洋光さんは、黒川紀章氏と同じく、初心者講座を修了。 現在、指導プロ養成塾の3年に在学し、陶芸の高度な専門技術と知識を修得中です。
実は今回の日本新工芸展入選作は、養成塾の3年に進級するための、2年次修了の認定作品として制作されたものでした。 陶芸を本格的に学びはじめて約2年、進級制作が難関公募展に入選してしまうところが、指導プロ養成塾の層の厚さであり実力の証明です。
もちろんこの作が生まれた背景には、作品作りに入る前の構想段階から、岡本立世総長の広い視野に立った指導や、微に入り細に入る現実的なアドバイスが絶えずあったからこそ。
初出品初入選は、その賜に違いありません。 加えて、岡本総長のアーティストとしての立場からの「傾向と対策」や公募展戦略は、女流展等レベルの高い公募展への入選に結びつく要因になっていると痛感しました。 ■ |
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国立新美術館のレストラン。逆円錐の内部が厨房で、最上階はポール・ボキューズ・ミュゼの客席。 |
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広々していて明るく、作品鑑賞しやすい会場。 |
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