インターネット版 No.84  全3ページ 1 | 2 | 3

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特別企画 アール・デコの魅力に惹かれて
岡本立世が求める美の世界
Risse&アール・ヌーヴォー
デザイナー気質を貫く美意識
岡本総長の作品や収蔵品が並ぶ展示室(新宿区・東苑ビル5階)。 展示台やテーブルなども総長自らのデザインです。 左奥のランプは、アール・ヌーヴォー期を象徴する作家・ドーム兄弟の作。 右端の作品は「アーテックス東京’92」出品作、中央右の大作は「同’94」出品作で、いずれも「アール・ヌーヴォー・シリーズ」の代表作です。 今号では、陶芸の指導者としてではなく、 これまであまり知られていない岡本立世総長の、創作家としての実像を初特集し、紹介したいと思います。


●アール・デコとの融合 
「アール・デコの装飾文様」
(セギー、トーマ他著/学研
/1980年)は座右の書。

岡本立世総長は、アール・デコのデザイナーたちに同じ作家として通じ合い、なかでも、セギーやダルシーらに殊更強く敬愛を寄せています。



●アール・デコとヌーヴォー

 岡本立世総長が創出した「アール・ヌーヴォー・シリーズ」の作品群は、複雑な曲線・曲面を多用した造形美と、それらの形に合致した植物などをモチーフにした有機的な文様表現がなされ、他に比類なき美しさを放つ独創的なシリーズ作としてよく知られています。
 アール・ヌーヴォー(Art Nouveau)とは、新しい美術を意味し、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパでおこった美術様式です。 主題を主に植物的な形態に借り、曲線・曲面を用いて装飾的に表現する点にその特徴があります。 またその後に、1920年代のフランス・パリを中心にした西欧で栄えた装飾美術の様式が、アール・デコ(Art Deco フランス語のアール・デコラティーフ<装飾美術>の略)です。
 それら「アール・ヌーヴォー・シリーズ」の作品を鑑賞しながら、岡本総長のアーティストとしての信条を探るとしたならば、アール・デコの精神に内包する芸術的パッションに依拠して、自由に、そして革新的な精神のもとで表現したいと願い、他方アール・ヌーヴォーには、作品作りにおける造形性や装飾性のコアを発見し、求めるのだという深遠な意味さえ潜んでいるように感じられます。
 この境地に総長が到達するのは、陶芸の基礎を身につけ研究しはじめてから、わずか4、5年後のことでした。



近年のアール・ヌーヴォー・シリーズ
曲面を活かした造形と、植物をモチーフに用いた装飾とが
見事に一体化した作品です。




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