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見た目には唐津を思わせるような慎み深い趣。静かな茶碗ですが、よく観ると見所が多い、ハイレベルな釉使いの作品です。 
50 柿結晶釉+チタンマット釉

 今回の作例を見ると、まず、胴上部に流れた、青みを帯びた景色が目を引きます。 それを際立たせる腰部の無垢なクリーム色。 さらに口辺には土味がのぞき、複雑な色見になっています。
 施釉の方法は、始めに柿結晶釉を全体に多めに吹き掛け、次にチタンマット釉(以下、チ釉)を茶碗の口元 3ヵ所くらいにポイントを絞ってプッ、プッ、プ〜ッと、やや強く吹き掛けます。
 さて、ここで作品の出来を左右するポイントは、意外にも柿釉の濃度です。
 以前にもご紹介したように、チ釉は失透性の流れにくい性質。 今回はその下に柿結晶という流れやすい釉をおくことで、チ釉を動かし、美しい景色を作り出しました。 しかし柿釉の濃度が薄いとチ釉は流れず、結晶も出ず、反対に濃過ぎると全部がドッと流れてしまう、ということにも・・・・。
 一度柿釉のみで焼いて理解してから挑戦する。 これが、近くて確かな攻略法といえそうです。

作品:西尾房子
高8.0 径10.0cm




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