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桃山陶の中でもっとも難関といわれる黄瀬戸。たった数度の焼成温度差が成否を左右するからです。今回はこの品格ある釉に挑みます。 
49 桃山黄瀬戸釉+織部釉

 難しいといわれる黄瀬戸ですが、恐れるなかれ。 ご紹介する黄瀬戸釉は、桃山の釉調を意識してブレンドされた九炉土特製の自信作! 織部釉との組み合わせで、写真のような通好みの鉢の焼成も夢ではありません。
 施釉法は吹き掛けで、濃く吹くほど黄色っぽくなり、薄く吹けば茶色に発色します。 作例のように、重ね掛けで濃淡を出すことを心掛けましょう。
 その際、ポイントは、先に作品の景色や構成を考えてから、濃くしたい部分にだけ2、3回吹き重ねること。 その後、全体を吹くようにします。 初めに全体に掛けてしまうと、吹き重ねたカ所が作者にもわからない、なんてことに・・・・。 同様に草花文の線彫りが見えなくなる前に、アクセントの織部釉を筆で置いておきます。 上から黄瀬戸釉が掛かっても発色に問題はありません。
 食器に優品が多いという桃山の黄瀬戸。 時に古作に学ぶのも、個性への道かもしれませんね。


作品:清水敬子 
高5.5 径16.0cm


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