インターネット版 No.61 全3ページ 1 | 2| 3

1・TOPICS ・・・ クラフト作品にチャレンジ! 第45回「日本クラフト展」より
2 ・「陶芸ブティック」 ・・・ GO Design @
3 ・茶とやきもの 44 ・・・ 遠州流・安藤宗良先生にインタビュー「耳の形も注文だった?」
・ZOOM--UP 17 ・・・ 益子焼の巻
・使ってみたい!!釉薬 47 ・・・ 桜桃釉+志野釉
・器で愉しむお茶時間 29 ・・・ カフェオレボウル&ソーサー


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TOPICS
クラフト作品にチャレンジ!
拡大するクラフト可能性とは?
                                          第45回「日本クラフト展」より
1960年以来、毎年開催されている「日本クラフト展」(主催・社団法人日本クラフトデザイン協会)では、
一般公募による、暮らしに味わいをもたらすクラフト作品を募集中です。
老舗のクラフト公募展
 日本クラフトデザイン協会は、クラフトデザインの普及を目的として1956年に設立されました。 今回紹介する「日本クラフト展」は、同協会によって主催され、一般公募による入選作と、同協会員の出品作が展示されます。 公募は、生活に潤いをもたらす、個性的なクラフト作品が対象として求められています。 同展はクラフト愛好家はもとより、クラフトデザイン関連業界や教育機関からも信頼を寄せられている展覧会です。

藤野征一郎
「FLOWER」(漆)

 

写真協力:
(社)日本クラフトデザイン協会(以下同)


遠田草子
「marimoの器」
安宮せい子
「Feeling Vase」
「クラフト」の誕生
 よく知られているように、戦後ほどない日本の工芸界といえば、日展や伝統的な工芸に加えて、民芸や工業デザインのような立場での仕事が健在でした。
 そんななかで、1955年頃から、美術工芸でもなければ機械工芸でもない、日常生活のなかで使われ、実用に適った生活工芸を目指そうとする新しい動きが起こりました。 やがてそれは、「クラフト」と呼ばれる工芸のカテゴリーのひとつとなって、戦後日本に根付きました。
 このクラフトを規定する条件は、いくつかあります。 自然素材を用いていて、土着性があることなども重視されますが、最も特徴的なのは、一定の均質性を保ちながらの反復生産ができるということでしょう。 つまり、手作りによって、少量生産が可能だということです。 もちろん、そうして生まれた作品が、機能性と芸術性の両方を同時に保持しているのはいうに及びません。

井川 健
「葉のカタチ」(漆)
多様化するクラフト作品
 現代の日本人の生活意識や、ライフスタイルの多様化に伴って、使われる器の種類にも変化が見られるようになりました。
 ダイニングテーブルでみそ汁を啜り、またある時は、箸を使ってパスタを食べる一方で、食後にはマグカップで麦茶を飲む・・・、という不思議な日常の光景が、当たり前になっています。
 和・洋の器の区別が薄れ、互いに影響し合って接近しボーダレスになっています。 このような傾向は、時代性を敏感に反映するクラフトの器にとくに顕著です。 また最近では、実用からはやや距離を置き、遊びの要素を多分に含んだ「装飾的なクラフト作品」も、比較的多く見られるようになりました。
 昨今のクラフトの器は、機能性の追求ばかりでなく、このような美術工芸的な方向に接近する様子もうかがえ、その境界が希薄になりつつあるのが現代のクラフトの特徴といえます。
 使い勝手が良く少量の反復生産が可能で、しかも、現代的な遊びの精神のあるクラフト作品に、挑戦してみませんか? ■

●第46回日本クラフト展
●応募要項=日本クラフトデザイン協会事務局までファックスか郵便で請求。同協会のHPからダウンロードも可。
●応募登録=11月下旬締切り予定
●作品搬入=06年2月中旬予定
●電話=03-3370-1324
●ファックス=03-3372-4924
●URL=http://www.craft.or.jp/




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