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群青の夜空に星雲がきらめくような、直径10センチの世界。とても小品とは思えないこの皿の存在感が、釉の妙味を語っています。 
44 ルリ釉+藁灰マット釉

 今回の作品の見所は、飛沫が飛び散ったかのようにも見える白い釉薬の掛かり具合でしょう。 その白さには濃淡があり、深みや奥行きが感じられます。
 掛け方は、まず全体にルリ釉を掛けます。 浸し掛けでも吹き掛けでもOK。 でも後者の場合はやや強めに吹いておきます。 その上から藁灰マット釉を吹き掛けますが、この掛け方に注目! はじめに新聞紙などで皿をマスキングして、端から5分の1の部分だけ吹き掛 けます。
 次に新聞紙をずらして3分の1ほどを施釉、最後に半分までずらして吹いたら釉掛け終了です。 マスキングの際は、作品の表面に紙をピタッとくっつけず、手で浮かせるように持つのも、ポイントです。 これにより、より自然な白のグラデーションが生まれます。
 もちろん、グラデーション効果が際立つ釉の選択も大切ですよ。 組み合わせをシミュレーションして、本作のようなインパクトある作品を目指しましょう。

作品:高橋照治
高3.0 径10.0cm



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