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《P1の続き・・・・・京都やきもの散歩---「近藤悠三記念館」と京焼窯元探訪》


■八坂神社
京都市東山区東大路通四条角
TEL. 075-561-6155
京都では古くから「祇園さん」と呼ばれ、親しまれています。 「祇園祭」(7月)はもちろんこの社で催される有名な祭ですが、大晦日の「おけら参り」も、無病息災がかなうと地元では人気です。 商売繁盛のご利益もあるそうですから、訪れたらぜひ参拝を!

■日月庵(湯葉懐石)
京都市東山区清水坂 2-232
TEL. 075-561-0077
美味しい水と、厳選素材で作られる京の豆腐はよく知られています。 また、その副産物として得られた豆乳から作られる湯葉や、そのほかの湯葉料理もいろいろあって楽しめます。 この店の女将によれば、湯葉を食べた翌日はお肌がツルツルだとか・・・・。

■茶わん坂(清水新道)
五条坂を清水に向かって上っていくと、やがて道は二股になり、「茶わん坂」の石碑が建っています。 いい伝えによると、僧の行基がこの辺りで製陶をはじめたからとか、茶碗屋久兵衛が五条坂一帯で陶器を作っていたため、この名がついたなど諸説があります。 いずれにしても名の通り、陶器店が多く目につきます。
       

■清水坂
世界文化遺産に指定されている清水寺に通じるこの緩い坂の両側には、陶芸品や西陣織など工芸品、加工食品などを売る土産屋、甘味処や仏具店など、延々と軒を連ねています。 清水寺には年間2千万人ほどの観光客が訪れているといわれ、この坂道でも人の波は絶え間がありません。

■ギャラリーたなか

京都市東山区五条橋東 6-570-7
TEL. 075-531-2002
京都陶磁器会館のすぐ近くの、洒落た今風な建物です。
1階が常設、2階がギャラリー・スペースになっていて、じっくりと作品鑑賞できます。 特徴は京都出身作家ばかりでなく、美濃系など全国の優れた作家の器類を扱っていることです。

■京都陶磁器会館
京都市東山区五条通東大路通東入
TEL. 075-541-1102
京都のやきものがおよそ1万点ほど、常設展示・販売されています。 湯呑み、皿、鉢などの日常使いにちょうどよさそうな器から、ブローチなどの装飾的な陶製品も見つかります。 また2階には京都を拠点に活躍していた著名物故作家や、人気の現役作家らの作品が展示されています。



◎歩いて知った奥深さ 

 それにしても、京焼がこれほどの発展を遂げたのは、茶の湯の流行もさることながら、江戸時代、17世紀末頃に活躍した名工・野々村仁清と、続いて現れた尾形乾山の功績も大きいようです。 こうして多くの陶器店を見て歩くと、ふたりの陶工の洗練された色絵陶器の系譜は、現在の京焼にしっかりと受け継がれているのが分かります。
 そんなことを思いながら茶わん坂を下りてくると、道は五条坂と出会います。
 この三叉路からほど近くに、「京都陶磁器会館」が見つかります。 ここは京都陶芸の全貌を俯瞰しつつ、ショッピングもできるとても便利な施設です。
 確かこの陶磁器会館の隣には、かつて八木一夫(1918−79)の仕事場がありました。 八木一夫は、戦後すぐ「走泥社」という前衛的な作陶家集団を結成し、日本の陶磁史に名を刻む業績を残した陶芸家です。 壺の口を閉じ、陶芸から用途をなくして、工芸としての芸術性を追求した作品で知られています。
 楽茶碗などの茶陶の流れ、そして、仁清や乾山による典雅な絵付の歴史・・・・。 こういった様々な伝統を現代に育みながら、反面、革新的な陶芸を許容する懐深さがあるのも、京焼の豊かさのひとつだと感じました。
 そのまま坂を進み、東大路通りに出たら西側に渡り、珍皇寺方面へと向かう裏道を歩いていきます。 すると目の前に、天を貫くようにそびえ立つ、レンガ造りの煙突が現れました。
 この辺りにあるブロック塀をふと見ると、徳利や壺などがさり気なく埋め込まれていて、現代的な窯垣になっていました。
 こんなふうに陶の気配を探しながらの散策は、なかなか面白いものです。 発見の喜びと驚きに、ツアー参加者の皆さんからは歓声と感嘆が絶えません。
 やがて、こんもり茂ったモクセイの樹が見えてきたら、そこが「藤平陶芸」の入口です。
 ここには110年前に築窯され、京都市内で最大という登窯(全長約20メートル、9室)が保存されていました。 それは正に仰ぎ見るほど大きく、圧倒的な迫力です。 煙突の正体はこれだったのです。 35年前、大気汚染防止法のために稼働を止めましたが、しかし、いつでも焼成可能な状態だそうです。
 こういう文化遺産が、都市の真ん中に今も眠る現実を知ってますます興味が湧き、再び京都を訪ねたいと思いました。

最後にパチリ、記念撮影。たち吉さん、来年もよろしく!(「登り窯資料館」にて)




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