インターネット版 No.32  全3ページ 1 | 2| 3|

1 ・現代陶芸の潮流示す作品群 ・・・ 「第6回 国際陶磁器展美濃」レポート (1)
2 ・現代陶芸の潮流示す作品群 ・・・ 「第6回 国際陶磁器展美濃」レポート (2)
3 ・とっておき WALKING POINTS (8) ・・・ 信楽(しがらき)
・目にも旨い!男の簡単Cooking (30) ・・・ 揚げシューマイのピリ辛風
・茶とやきもの 32 ・・・ 「高麗茶碗の招来は、いつだった?」
・ZOOM--UP (7) ・・・ 砥部焼

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「第26回 国際陶磁器展美濃」レポート
  
早くも6回展を迎えた「国際陶磁器展美濃」には、世界中の57の国と地域から2000点を超える出品がありました。 本展は陶芸の国際基準を知り、また、その概観を計るうえでも貴重な展覧といえます。



清水真由美「calado」
高8.0p(中央)
陶芸部門 審査員特別賞(選−金子賢治氏)




西田 潤「絶」
高180.0 径100.0p
陶芸部門 グランプリ



世界中から集う作品
 やきものと文化の総合施設「セラミックパークMINO」が、「第6回国際陶磁器展美濃」の入賞・入選作の展示発表をオープニング・イベントとして、岐阜県多治見市の東部にいよいよ竣工しました。
 ゆったりとしたスペースの駐車場から橋を渡り、続いて天井に陶片の散りばめられたアプローチをすぎると、自然にエントランスへと導かれていきます。 家族連れや若者のグループなど、多くの来観者が訪れていて、関心の高さが感じられました。
 第6回を数える国際陶磁器展美濃の陶磁器デザイン部門には、世界34カ国(地域)から650点の出品があったそうです。 そしてそれらのなかから、140点の入賞・入選作が選ばれました。 またもう一方の陶芸部門には、57の国(地域)より1399点の応募があり、内119点の入賞・入選作がそれぞれ決まりました。 それらの作品は真新しい展示ホール内に、誇らしく並べられていました。 



 喜淑「WHITE LINEU」
高6.5 径24.0p(水盤)
デザイン部門 銀賞



国柄を反映する作風
 展示ホールに入ると、まず陶磁器デザイン部門の作品がズラリと陳列されていました。
 この部門の対象は、「計画生産、反復(多品種少量生産を含む)を前提としたセラミックスを素材とするデザイン作品」となっていて、全体的にはかなりシャレた感じの、モダンな雰囲気の作品がたくさんあり、とても好感をもって見られました。
 器などテーブルウェアーばかりでなく、様々なアイディアにあふれた花器や装飾タイル、あるいは変わり種としては、お国柄もあって七輪、オイルランプ、蝋燭立てなどのような火器類や、経筒なども出品されています。
 またデザイン部門の公募は、いわばクラフトの精神に則った制作が課せられていることと、実用的な食器に求められる清潔感をアピールしやすいため、磁器を素材とした作品が圧倒的に多いと感じられました。 さらに、透光性という磁器の特性のひとつを活かそうとしていて、各種多彩な照明器具が目立つのも、大きな特徴といえます。
 こうしてデザイン部門の作品を眺めて会場を歩くと、総体としてふたつの傾向があります。 ひとつには、かつてのように直線の組み合わせや、矩形による幾何学的なデザインは陰をひそめ、曲線や丸みを強調したり、自然なゆがみやフォルムが採用される作品が断然増加していること。 そしてもうひとつの顕著な流れは、色使いが原色からパステル調のやわらかな印象へと変化してきている点でした。

《 「第26回 国際陶磁器展美濃」レポート ・・・ P2へ続く 》



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