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《九炉土流「蓋物」とは? ・・・P1の続き》


楽しさをありがとう!
ランプに活かされる蓋物
本体(ボディー)に電球や蝋燭を取りつけ、蓋をシェードとして被せる各種の照明器具は、構造そのものが必然的に蓋物になっています。
 誰にでも楽しく、素敵な蓋物作品が作れる大きな要因は、最も大切な陶芸の基礎技術が、出品者の皆さんにしっかりと身についていることでしょう。 それはポイントを押さえた確実な指導を、講師の先生からいつも受けているからです。 だから、どんな着想やアイディアの作品でも、失敗することなく完成にまで導かれていきます。 つまりストレスなく、楽しい作品作りが続けられ、ひたすら作陶にだけ没頭できるのです。 そしてこのことが、「九炉土流指導法」のひとつの目的になっています。
 展覧会場を見て回ると、もうひとつ気づくことがあります。 それは、出品者の年齢や志向、作陶キャリアなどが様々なのに対応し、作品もとりどりでオリジナリティーが認められていることです。 作るうえでの制約はまったく感じられず、個性が尊重されています。 九炉土流の作品が生まれる由縁です。
 今年も連日、多くの観覧者を集めて盛況だった九炉土展。
 「ホントに素晴らしい作品ばかり。 作者の方々に、楽しさをありがとう!といいたいです」
 といいつつ、会場を後にした観客の弾んだ声が、いつまでも耳の底に残っています。


山蓋(変形)
蓋の中央が山形に盛り上がっていますが、蓋の内側には歯がなく、ボディーの口縁をおおって包み込むような構造になっています。 いわば山蓋の被せ型といえます。
落とし蓋(応用)
船の形をした香炉です。 屋根の部分が蓋になっていて、落とし蓋の応用例といえます。 ですからユニークなこの作品も、広義な意味での蓋物です。

落とし蓋
矢筈口になっていますが、蓋が本体(ボディー)の口縁内部に落ち込んでいる落とし蓋です。 水指などに多く見られる蓋作りの典型的な作例です。


今年も盛り上がりました!!
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恒例「陶房九炉土会員作陶展」開催
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上 連日賑わう朝日生命ギャラリー
左 会場のある新宿センタービル
 
恒例となった「陶房九炉土会員作陶展」が、連日多くの観覧客を集めて、東京・新宿センタービルの朝日生命ギャラリーで華々しく開催(10月30日〜11月3日)されました。
出品者の皆さんは、日頃の成果をいかんなく発揮し、いずれ劣らずの力作・秀作揃い。
熱心に作品を鑑賞する来観者に交じって、作品を前にして技法について講師の先生に質問する出品者もいて、次作にも大いに期待が持てそうです。
また、同会場では「干支コン」の入選作品の展示発表があり、一般来観者による人気投票も行われました。 結果は本誌次号で詳報します。 お楽しみに!




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