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  とっておき
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赤膚(あかはだ)
(奈良県大和郡山市) 

城跡は桜の名勝です。
写真協力:大和郡山市商工観光課
名工・木白と、奈良絵のルーツをたずねて

赤膚焼は古都・奈良生まれ。風雅な趣きで、茶の湯の世界ではよく知られたやきものです。
 創始は不詳ですが、江戸寛政年間に、時の郡山城主・柳澤堯山が瀬戸から陶工伊之助、京都から陶工治兵衛をそれぞれ招き、奈良市・五条山(赤膚山)に移り住んだ彼らを支援して、衰退していた窯業を本格化させた、と伝えられています。
 その特徴は、鉄分を含みほんのり赤く発色する素地に乳白色の釉が掛かって醸し出す柔らかな風合いや、「奈良絵」と呼ばれる、単純化されて可愛らしい和風の絵付にあります。 また一説に、「遠州七窯」のひとつといわれますが、創窯時には、すでに小堀遠州は他界していました。
 さて現在、赤膚焼の窯元は奈良市と大和郡山市に分かれて存在しています。 今回は、赤膚焼生みの親にしてパトロンだった堯山公のお膝もと、大和郡山を訪ねてみましょう。
 大和郡山へは、JR関西本線か近鉄橿原線のいずれかで。 窯元は、JR郡山駅近くに尾西楽斎窯、近鉄郡山駅そばに小川二樂窯の2軒があり、いずれも徒歩圏内と便利な立地です。
そのうち尾西窯のお得意は、木白(もくはく)写しの茶陶です。 華麗な絵付の茶碗や陶製の能人形など、ここでしか見られない個性的な作品に出会えます。 ところで、木白こと奥田木白は赤膚焼中興の祖といわれる名工です。
これぞ奈良絵!
もともとは商人で茶や俳諧に通じた数寄者でしたが、1835年頃から楽焼をはじめ、清水の陶器を写すうち評判をとって、赤膚の名を全国に広めたのです。 赤膚焼の現在の作風は、この木白にルーツを持つものも多く、市内・円融寺に木白の墓所があります。
 小川窯には、湯呑みや皿など、親しみやすい日常食器が並んでいます。 また、名産の金魚をかたどった土鈴は、目当ての観光客もいるほどの人気商品とか。 いずれの窯でも、奈良絵の器を作っているので、この際ひとつ、手に入れてみたいものです。





目にも旨い!男の簡単 Cooking (27)
ほうれん草と人参の白和え
本格派っぽい白和えは、実は“和え衣”さえマスターすれば意外に手軽にできます。
個性派の緋襷向付にこんもり盛れば、品のいいお通しに。オッといわせる一品です。  



作品:関根みち 高4.5 径9.0cm
◆材料(3〜4人分)
ほうれん草/1把、 人参/半本
煮汁 (だし/1カップ、 しょうゆ・みりん/小さじ1)
和え衣 (豆腐/半丁、 ゴマ/大さじ2、 みそ/小さじ1、
砂糖/大さじ1、 塩/小さじ1/4、 しょうゆ/小さじ1、
だし/大さじ2)
   
◆作り方
@ 人参を下煮し、煮汁に湯がいたほうれん草も加え、冷めたら汁気を切る。
A 豆腐は熱湯で2分くらい煮てからザルにあけ、手で粗くほぐしておく。
B 和え衣は、なめらかさが身上。すり鉢で豆腐と材料をよくすり混ぜる。
C Bに@の具をくわえて和え、器に盛る。彩りに木の芽をあしらうのもいい。
 






「備前焼の魅力探究」
黒田草臣 著
 
 
 新書サイズの気安さで本書を手に取ると、なんとビックリ! 濃〜い内容に驚かされます。
 その中身は通り一遍の備前焼入門ではなく、体験談や作家とのエピソードを交えた興味津々の話題が目白押し。 といって難解さはなく、老舗陶器店の主として長年備前と関わってきた筆者ならではの噛み砕かれて生き生きとした語り口に、ぐいぐいと引き込まれてしまいます。 もちろん、歴史や技法などの基礎知識もきっちり押さえてのこと。
 なるほど、読後にはタイトル通りの“深く究めた”備前通になった(?)かのよう・・・。 そんな、充実感に浸れる一冊です。

(問)双葉社
TEL 03-5261-4818
http://www.futabasha.co.jp 




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