3/3ページ
釉薬を使った、明るく清潔感のある「牡丹餅(ぼたもち)」の装飾。
くっきりした牡丹餅にするには、工夫が必要です。
 
30 緋襷釉+4号トルコ青釉+黄伊羅保釉

 いろんな料理に映えて、さぞかし出番の増えそうなこの作品。 特徴は、バランス良く発色した焼締め風の色調と、何といっても、広めの見込みに変化をつけた「牡丹餅」の装飾にあります。
 作業手順は、最初に緋襷釉を刷毛で内外とも均一に3回ほど塗り重ねます。 次に新聞紙を円形に切り牡丹餅の型紙を作って見込みに置いたら、あとの吹き掛けで型紙がずれないよう粘土で重しをします。 その上から4号トルコ青釉を霧吹きで約3回吹き、最後に黄伊羅保釉をグラデーションを出すように部分的に吹き掛けて終了です。

作品:漆原宏樹 高5.0 径13.0cm
 ポイントは、型紙の5ミリほど内側に重しの粘土を置くこと。 なぜならそれ自体に水気を含む粘土は水分を吸い込まず、吹き掛けで表面に付いた釉が流れ落ち、跡や汚れの原因になったりするからです。
 ちょっとした工夫に見えますが、仕上がりは格段に違うはず。 そんな積み重ねの先に、釉使いの醍醐味も、きっと待ってます。 



1ページ | 2ページ | 3ページ
tougeizanmai.com / バックナンバー