バックナンバー

インターネット版 No.106

目次
<企画展>『第22回 日本陶芸展』
<企画展>『原清展』

企画展

『第22回 日本陶芸展』
加藤清和「藍三彩(らんさんさい)1301」
大賞・桂宮賜杯「藍三彩(らんさんさい)1301」(第1部)
加藤清和(京都府)
百花繚乱、日本一決定!
 今回で第22回を迎える日本陶芸展は、1971年(昭和46)に創設され、隔年のビエンナーレ方式で開催されてきました。会派や団体にとらわれない実力日本一の陶芸作家を選定することを謳って設立され、歴代の大賞受賞者からは松井康成など重要無形文化財保持者(人間国宝)として活躍した作家を輩出してきました。当時の審査員には川端康成、白洲正子といった著名人も名を連ねました。
 本展覧会は、公募部門と招待部門で構成されています。公募部門は伝統部門(伝統を踏まえた創作作品)、自由造形部門(用途にとらわれない自由な造形による作品)、実用部門(民芸、クラフト、プロダクトなど用途を持つあらゆる実用的な陶磁器)の3部門に分かれ、今回は662点の応募作品から134点が選ばれました。
準大賞・日本陶芸展賞「Rin」(第1部)
畑石修嗣(佐賀県)
 大賞・桂宮賜杯は加藤清和氏(京都府)、特別賞である茨城県陶芸美術館賞は星野友幸氏(東京都)が受賞しました。招待部門では、重要無形文化財保持者(人間国宝)鈴木藏氏の作品を含む15点、また今回は第1回展優秀作品賞受賞者のゲルト・クナッパーの追悼作品1点を加えた計150点の力作により現代日本陶芸の最高水準を展示紹介いたします。
優秀作品賞・文部科学大臣賞「N-FLOWER」(第2部)
石嶋哲彦(栃木県)
特別賞・茨城県陶芸美術館賞「練継花器」(第1部)
星野友幸(東京都)
  • ○会期:2013年7月13日(土)〜9月8日(日)
  • ○開館時間:午前9時30分〜午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
  • ○休館日:月曜日(※7月15日(月・祝)・8月12日(月)は開館、7月16日(火)は休館)
  • ○会場:茨城県陶芸美術館 地階企画展示室
    (茨城県笠間市笠間2345番地 笠間芸術の森公園内)
  • ○観覧料:一般700(550)円,高大生500(400)円,小中生250(200)円
    ※( )内は20名以上の団体料金、夏季休業期間を除く土曜日は高校生以下無料。
  • ○URL:http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/

第22回日本陶芸展で見事大賞を受賞された加藤清和さんに受賞のお気持ち、作陶への想いを伺いました。
―大賞受賞の一報を聞いた時のお気持ちはいかがでしたか。
「え!?」という感じで…。良い仕上がりだとは思ったけど、まさかグランプリとは、頭が真っ白になりました。
―三彩の中でも藍三彩を選ばれた理由はありますか。
藍三彩は自分の頭の中にある理想のイメージに近い。
―そのイメージとは。
藍色のイメージ。子供の頃、山へ行って、そこで見た川の光が反射してできる濃い藍色、それが目指す理想の藍色。
―今後どのような作品を作っていきたいですか。
理想は“ふわピリ”。つまり、柔らかい中にもシャープな部分がある造形。
“ふわ”だけでも“ピリ”だけでも駄目で、そういったフォルムと頭の中にある理想の藍のイメージに近い色彩を追求していきたい。
加藤清和/Kato Kiyokazu
1970年京都市生まれ。90年京都府立陶工高等技術専門校陶磁器成形科修了。2002年靖山窯2代目を襲名する。透明感のある深い藍色と滑らか且つシャープなフォルムが生み出す清潔感漂う藍彩が特長。