雨の金沢で、人気の3大観光スポット巡り
 2日目は“兼六園” “金沢21世紀美術館” “ひがし茶屋街”の金沢3大観光スポットを巡ります。宿泊地「金沢白鳥路ホテル」のクラシカルなラウンジでウェルカムドリンクを頂きながら、本日の経路を確認。しかし、あいにくの雨空。昨日、「魚焼いたる」の板さんに教えてもらった金沢の格言「弁当忘れても傘忘れるな」が思い出されます。金沢は雨が多い街、折りたたみ傘が必須のようです。今回はホテルで傘をお借りして、一つ目の人気スポット、金沢のシンボル「兼六園」へ、いざ出発。
 一度は泊まってみたいと思っていた金沢白鳥路ホテル。思っていた通りの大正ロマン薫るクラシックなロビーに佇むと、もう気分は令嬢。
 兼六園まで徒歩3分の好立地なので、早朝無料開園する兼六園で朝の散歩を楽しむのがお薦めです。
ラウンジ「パルティ」でウェルカムドリンクに“金箔ブレンドコーヒー”を頂きました。コーヒー表面に金沢金箔が浮かんでいます。 ラウンジ横の売店では加賀伝統の名産品を販売。鮎釣り用の加賀毛針で有名な「目細八郎兵衛商店」の小さなソーイングセットはお土産にも喜ばれそう。マッチ箱サイズの木箱に梅鉢紋をイメージした針山や小さなハサミなどを詰めあわせたセットで縫物とは縁遠くても欲しくなってしまう愛らしさです。
  
ロビーには人間国宝・徳田八十吉氏による九谷焼ランプをはじめ海外へ輸出された貴重な九谷焼の名品のほか
加賀友禅や金沢箔など金沢の伝統工芸を随所に展示。

今回のホテル選びで決め手となった天蓋つきベッドのある客室は広々として快適。こんな優雅なお部屋もオフシーズンなら格安プランで宿泊が可能。
ホテルオリジナルの漆器の小箱で和三盆のサービス。


 朝食は和洋取りそろえたブッフェ。金沢の方言で“じわもん”と呼ばれる地元の食材を使った郷土料理も並び、朝からお腹いっぱいです。
[金沢白鳥路ホテル/
かなざわはくちょうろほてる]
■電話 076-222-1212
■チェックイン 14:00
 チェックアウト 12:00
加賀野菜を使ったスープ。どちらも美味しいですが、特に気に入ったのが“大根のスープ”。とろみがあって温まります。






 雨の中、金沢のシンボル「兼六園」を散策。金沢の冬の風物詩といえば“雪吊り”です。街の中でもあらゆる木に“雪吊り”が施されているのを見ることができます。雪はほとんどありませんでしたが、見事な“雪吊り”のある風景に大満足。
兼六園の紹介写真で良く見かけるショットですが、実際その場所に立つとやはりシャッターを切りたくなる美しい景色です。
手前にある灯籠は「徽軫灯籠(ことじとうろう)」、よく見ると右の足が短い! 明治時代に折れたそうですが、気付かないほど景観と調和しています。
  
兼六園の最寄りのバス停「兼六園下」に近いのは「桂坂」入口。入口手前には食事処(写真上)、入園してすぐ「徽軫灯籠(ことじとうろう)」を見ることができます。
兼六園の入口(料金所)は全部で7カ所。決まった順路はないので好きな入口から入園し自由に散策が楽しめます。
 優れた景観の代名詞「六勝」を兼ね備えていることから名づけられた兼六園。六勝うちの一つがこちらの「眺望」です。
 晴れていれば、日本海や能登半島まで見渡せるという絶景スポットですが、この日は手前の卯辰山すら霧の中…。残念!!
雨でけぶる「眺望台」からの眺め
[兼六園/けんろくえん]
■電話 076-234-3800
■開園時間
 3月1日〜10月15日 7:00〜18:00
 10月16日〜2月末日 8:00〜17:00
※早朝無料開園は5:00〜季節により変動あり
■料金 大人300円、18歳未満100円 
兼六園では編み笠姿が似合います。 美術館エリアに近い「随身坂」の料金所

 兼六園の「随身坂」出口から出ると石川県立美術館のすぐ目の前に出ることができます。仁清作「色絵雉香炉」をはじめ石川県の名品を所蔵。パティシエ・辻口博啓氏プロデュースのカフェがオープンし注目を集めています。
[石川県立美術館]
■電話 076-231-7580
■開館時間 9:30〜18:00
(入館は17:30まで)


 県立美術館のすぐ横には赤レンガの建物が印象的な「石川県立歴史博物館」があります。古代から近代までの石川の歴史と民族を紹介。
[石川県立歴史博物館]
■電話 076-262-3236
■開館時間 9:00〜17:00
(入館は16:30まで)


 県立美術館の脇道を抜けて“美術の小径”を進むと、雪景色の中に「金沢市立中村記念美術館」が見えてきました。所蔵品は地元酒造家が収集した茶道美術が中心。
[金沢市立中村記念美術館]
■電話 076-221-0751
■開館時間 9:30〜17:00
(入館は16:30まで)
写真左:石川県立美術館ロビー
写真右:同美術館内にオープンした辻口博啓氏プロデュースのカフェ
かつて旧陸軍兵器庫として使われていた赤煉瓦棟を復元再生し、博物館として利用。長さ90メートルものレンガ造りの建物は貴重で、重要文化財に指定されています。



この一帯は美術館や博物館が集中するエリア
“美術の小経”という素敵な名前からは想像もつかないほど急な階段。 階段脇を流れる辰巳用水。
雨のせいか轟音と共に滝のように水が流れ迫力満点。
雪の中にひっそりと建つ「中村記念美術館」。毎年春には所蔵の茶道具でたてたお茶が頂ける豪華な茶会を開催。
 ユニークな現代アートが体感できる「金沢21世紀美術館」。無料ゾーンもあり一日楽しめると評判。金沢の人気観光スポットとして定着しています。
[金沢21世紀美術館]
■電話 076-220-2800
■開館時間 10:00〜18:00
(無料ゾーン 9:00〜22:00)

レアンドロ・エルリッヒ 『スイミング・プール』(2004年)
プールの底を歩いているような錯覚に陥る作品。水面にできる波紋を下から眺められる不思議な光景は雨の日ならではの楽しみ。

 21世紀美術館からはバスで移動。金沢ふらっとバスが便利ですが遠回りの路線となるので晴れの日なら徒歩での移動がお薦めです。
 人気の観光スポットですが、雨のため人通りはまばら。かえって趣があります。お誂え向きに着物姿の女性も。にし茶屋街よりも規模が大きく、お茶屋さんだけでなくカフェやお土産選びにちょうど良いショップも数多く建ち並びます。
 しかし、雨風ですっかり冷えてきたので、足早に通りを一巡して早速ランチです。


 金沢は不思議と洋食屋さんが多い街、「レストラン自由軒」もその一つです。ひがし茶屋街の入口に建つ1909年創業の老舗で、自家製ハンバーグ、ポークソテー、クリームコロッケ、海老フライの4品を盛り合わせたランチセットが人気。食べたい味が一度に味わえます。
 もう一つ有名なのがケチャップを使わず醤油ベースで味付けしたオムライスです。ピリッと胡椒が効いてやみつきになるお味。
「懐華樓(かいかろう)」。築190年以上、ひがし茶屋街で一番大きなお茶屋。夜は今でも一見さんお断りですが、日中は一般に公開、カフェも併設。
[自由軒/じゆうけん]
■電話 076-252-1996
■営業時間 昼11:30〜15:00 夜17:00〜21:30(土日祝16:30〜21:30)
■休業日 火曜日・第3月曜日
オムライス 735円 ランチセット(ご飯とお味噌汁つき)
1,835円
◎旅のまとめ

 1泊2日で全11か所の人気スポットを巡る金沢の旅が無事終了。魚介を食べたり史跡を見たり伝統工芸を体験したり雨に打たれたりと大忙しの2日間(お茶を飲む暇もなかった!)でしたが、今まで気づかず通り過ぎていたスポット(尾山神社)や少し遠いという理由で行ったことのなかったスポット(にし茶屋街)にも行くことができたし、旅先で一度やってみたかった手づくり体験もできて、金沢の街を満喫する旅となりました。ほぼ徒歩で移動したので道もかなり覚えた、はず。主要観光スポットは金沢駅から約3kmの範囲内に点在しているので、慣れないバスを待つよりは徒歩の方が早い場合もあります。歩きやすい靴に履き替えて城下町・金沢の空気を感じながら歩いて巡るのが金沢観光にはお薦めです。

 やきものファンの方は金沢市街の観光を1日目にまとめて、2日目は九谷焼の窯元が集まる能美市(旧寺井町)へ足を伸ばすのも良いかもしれません。能美市は金沢駅からJR北陸本線で30分ほど。九谷焼の資料館や陶器店が集まる「九谷陶芸村」もあり、九谷焼を堪能することができます。

 各スポット駆け足でご紹介しましたが、旅のプランの参考にして頂けたら嬉しいです。

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※掲載した記事やデータは2012年3月の取材に基づくものです。お出かけの際は事前に公式サイトや電話などでご確認下さい。