インターネット版 No.102
伝統的九谷焼から普段使いの器まで揃う近江町市場側の陶器店 | |
店構えが貫禄、昔ながらの製法で作り続ける老舗味噌屋さん | |
カボチャ万頭の看板が懐かしい庶民派和菓子屋さん | |
ライトアップされた姿が美しい赤レンガの資料館 | |
こだわりのお料理が頂ける金沢で大人気の居酒屋でお夕飯 |
楼門がシンボルの金沢駅東口は市内へと走る主な路線バスの発着場です。兼六園へ約9分、ひがし茶屋街へは約7分と各主要観光スポットまで約10分前後で移動することが可能。 | ||
まずは北鉄路線バスを利用して1つ目の観光スポット、近江町市場を目指します。 土・日・祝日の場合は1回乗車100円の「兼六園シャトルバス」や「まちバス」がお得です。 |
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金沢駅から直行したのは北陸のグルメが集まる近江町市場。お目当ては市場内にある「かいてん寿し 大倉」です。金沢の回転寿司は超ハイレベルということで期待大。お客さんは地元の方が多く、皆さん平日限定の500円ランチを続々注文、あっという間に売り切れてしまいました。 注文したのはウニにイクラと軍艦好きが一目瞭然のラインナップ。写真を撮る前に思わず一つ食べてしまった地物ネタの「のど黒」は金沢に来たら是非食べたい一品です。 [かいてん寿し 大倉/おおくら] ■電話 076-231-3317 ■営業時間 10:30〜18:30 ■休業日 無休 |
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店内はカウンター席のみなので、 昼時はすぐ満員状態に。 寿司写真一番下がのど黒のあぶり。 |
カラクリ人形が並ぶこちらは、文久2年創業の金沢郷土玩具のお店。写真左中央の「米食いねずみ」は横のレバーを動かすとねずみが首をちょこんと下げる愛らしい玩具ですがお金が貯まるというご利益付き。これらカラクリ人形は江戸時代に足軽小者の手内職として作られたのが始まりです。もう一つ目を引くのが張子の動物。鮮やかな色遣いと優しい表情がたまらない張子はお土産にも最適。 [中島めんや/なかじまめんや] ■電話 076-232-1818 ■営業時間 9:00〜18:00 ■休業日 火曜日 |
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写真左:一目見たら虜になって しまうかわいい張子の動物たち |
中島めんやさんの向いに九谷焼の陶器店を見つけました。 伝統的デザインの九谷焼のほか、普段使い用の器も揃い ます。 |
陶器店を出るとはす向かいには思わずカメラを構えてしまう 味噌屋さんがあります。文化十年の創業以来、製法を変え ずに手づくりの金沢味噌を作る中六商店。 店構えからも伝統の味を守り続けていることがひしひしと 伝わってきます。 |
01.九谷焼窯元 順風堂/じゅんぷうどう ■電話 076-231-2700 ■営業時間 9:00〜18:30 ■休業日 火曜日 |
02.味噌の老舗 中六商店/なかろくしょうてん ■電話 076-221-0154 ■営業時間 8:30〜19:00 ■休業日 不定休 |
百万石通りに戻って、香林坊方面へ少し歩くとショップアルトラの看板が見えてきます。長い階段を上って最初の扉がアートショップの入口。小さな美術館のようなホワイトスペースに遊び心溢れるモダンな九谷焼が並びます。展示は金沢の作家や若手作家が中心。個展やグループ展などの催しにあわせて展示が入れ替わるので、何度訪れても新しい発見が楽しめます。陶磁器のほか、ガラス、漆器、金工芸、絵画なども展示。 [ショップアルトラ] ■電話 076-231-6698 ■営業時間 10:00〜18:30 ■休業日 第1・3日曜日 |
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2Fアートショップ内の様子 | ||
3Fは企画展示を行う ギャラリー |
オフィス街の真ん中に建つ金沢の中心的な神社。前田利家とまつが祀られ、思いのほか広い境内に通りの喧騒を忘れます。かつては灯台代わりに使われていたというギヤマンのステンドグラスが美しい神門は必見。灯がともる夜がお薦めです。さらにその上に伸びる避雷針は日本最古のもの。 琵琶島や琴橋など和楽器の名前がついた庭園も美しく、見どころいっぱいです。 [尾山神社/おやまじんじゃ] ■電話 076-231-7210 ■営業時間 社務所8:00〜18:00 ■休業日 無休 |
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写真上:境内に置かれた「さし石(力石)」。古くから若衆達がこの石を担いで力と技を競ったことから、この石に触ると健康になると云われているのだとか。しっかり触って健康を祈願してきました。ちなみに、おみくじをひいたら大吉!
良い旅になりそうです。 写真左:ギヤマンのステンドグラスがはめ込まれた和漢洋三様式の神門がシンボル。 |
尾山神社からしばし歩いて飲食店やファッションビルで賑わう香林坊の交差点から横道にそれると、土塀と石畳が連なる長町武家屋敷跡へ到着です。 加賀藩上・中武士の屋敷跡というだけあってとにかく立派。武家の暮らしは良いな…などと思いをはせながら情緒ある用水沿いを歩きます。ここを流れる用水は“大野庄用水”。金沢では至る所で用水のある風景を見ることができます。 屋敷内部が見学できる「武家屋敷跡野村家」や「前田土佐守毛資料館」、さらには甘味処など寄り道スポットはいっぱいですが、絵付体験の予約時間が迫っているので次の機会に。 |
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写真左 [あめの俵屋 長町店/ あめのたわらや ながまちてん] ■電話 076-231-3378 ■営業時間 8:30〜17:00 ■休業日 水曜日 写真右 [茶菓工房 たろう 鬼川店/ さかこうぼう たろう おにかわてん] ■電話 076-223-2838 ■営業時間 8:30〜17:30 ■休業日 無休 |
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金沢で一番古い飴屋さん。 | かわいいパッケージで注目の和菓子屋さん。お土産にお薦め。 |
武家屋敷跡をあとにして、本日の大イベント・絵付体験のため、九谷光仙窯さんへ! と出発してすぐ、カボチャ万頭で有名なお菓子屋さんを発見。早速店内へ。かぼちゃ万頭+雛祭り用の和菓子(写真右)を購入。2色に色づけされた白餡を牛皮で包んだ和菓子は見た目もお味も最高。 | ||
03.高田生菓子店/ たかだなまがしてん] ■電話 076-231-1895 ■営業時間 8:00〜19:30 ■休業日 水曜日 |
再び、光仙窯さんを目指して出発。場所はにし茶屋街の少し先。遅刻厳禁、足早に目的地へ向います。 犀川に架かる橋を渡って、猫のいる公園の横を通り、歩くこと15分。写真左下の通りへ出たらもうすぐ目的地です。 歩くのは大変という方は北鉄バス「野町駅」行き終点下車、徒歩1分または金沢ふらっとバス長町ルート「にし茶屋街」下車、徒歩約5分。 |
光仙窯さんは金沢市街で唯一、成形から絵付までを行う九谷焼の窯元です。明治3年(1870)創業の貫禄ある佇まいに緊張が高まります。 絵付の前に工房を見学。まだ寒い工房内に土の香りが漂っていました。 職人の方はちょうど休憩ということで、作業場をジロジロ見学。ロクロ横には七輪が置かれ、寒さが厳しい作業の様子が目に浮かびます。 ロクロの部屋から乾燥、窯の部屋へと順番に案内して頂き、最後は楽しみにしていた絵付の部屋へ。 |
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作品のサイズ見本が収められた棚(写真左)。全て手作業で行われるため、わずかな形の歪みで絵付のデザインが狂ってしまうとのこと。型取りしたかのような美しい成形はまさに職人技です。 | 焼成は月に一度。32時間薪をくべ続け焼きあげます。 |
約20種類ほどの器から好みの形を選んだら、絵付けの始まりです。「最高の作品にするぞ!」と意気込みすぎて形選びから難航。皿にするか、マグカップにするか、茶碗にするか、たっぷり悩んで、汲出に決定。やっと絵付へ取りかかります。 絵付は赤絵具を使って輪郭線を描く、骨描のみを行います。九谷焼の伝統的和絵具を使うため、中の彩色は職人さんが仕上げて完成となります。 汲み出しに描かれた色見本。このデザインを気に入ってそのまま作った人もいたとのこと。意外と難しそう…などと考えているせいでデザインが決まらず、なかなか描きだせない。にわかに焦りつつ展示されている作品を参考に伝統的九谷のデザインを少しずつ取り入ることに決めてやっとスタート。 |
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気軽な気持ちで十草文風に線を入れ始めたせいで かなりの時間を費やすことに…。終わらない! |
光仙窯さんの作品を真似て茶溜りに松の葉を 描くことにしました。 |
これぞ九谷という作品を追い求めて絵付開始から約2時間。とうとう完成。器の表面と松の葉を緑で、茶巾摺りに描いた不可思議な文様部分を黄色で彩色というイメージでしたが、ここで驚愕の事実が発覚。 イメージ写真のように骨描の上から彩色できるのは骨描を呉須で行っている場合ですが、呉須は素人には扱いづらく、体験では赤絵具で代用しているため、上から一気に塗りこむことは不可能。「私の九谷焼はどうなってしまうの!?」 と思ったのもつかの間、職人さんが卓越した技術で輪郭線をよけて彩色をしてくれるとのこと。 |
茶巾摺り部分の細かすぎる文様が頭をよぎります…面倒かけてごめんなさい! 最後は展示室を見学。華麗な九谷焼がずらりと並び、改めて絵付の高度な技術と洗練されたデザインに感動。 大変でしたが、もう一度やってみたいという気持ちになるとっても楽しい経験でした。 |
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[九谷焼窯元 九谷光仙窯/くたにこうせんがま] ■電話 076-241-0902 ■営業時間 9:00〜17:00(受付16:30まで) ■休業日 元旦 ■体験料金 1,050円〜5,250円(送料別) ※所要時間は平均1時間、要予約 ※作品は仕上げて約2カ月後に発送 |
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光仙窯さんからの帰り道、にし茶屋街に寄り道です。「ひがし」、「主計町」と並ぶ金沢三茶屋街の一つ。 夕暮れの茶屋街は少しずつ灯がともり始め、茶屋遊びをする人が集まる粋な雰囲気が漂います。 お土産は甘納豆の「かわむら」がお薦め。無添加で仕上げた素朴な味わいが人気です。 オープンしたての「諸江屋」は江戸時代創業の和菓子屋さん。店内奥にサロンも併設。 |
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[甘納豆 かわむら] ■電話 076-282-7000 ■営業時間 9:00〜18:00 (日祝10:00〜17:00) ■休業日 第2・4日曜日 |
[落雁諸江屋 西茶屋菓寮/ らくがんもろえや にしちゃやかりょう] ■電話 076-244-2424 ■営業時間 10:00〜18:00 ■休業日 火曜日 |
にし茶屋街から香林坊方面へ戻ること15分。中央公園内にある「石川四高文化交流館」がライトアップされていました。 | |
04.石川四高記念文化交流館/ いしかわしこうきねんぶんかこうりゅうかん ■電話 076-262-5464 ■開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで) ■休館日 無休 |
今夜のお夕飯は金沢で絶大な人気を誇る「いたる」の支店「魚焼いたる」。新鮮な魚介類と加賀野菜を使ったお料理はどれもこだわりが感じられる本格派で、とにかく何でもおいしい。カウンター越しに見る包丁さばきに惚れぼれします。 |
能登の調味料「いしる」を使ったイカバ ター。イカベースのいしるなのでイカの 風味が際だって絶品。いしるだけを舐 めても肴になるほど風味が良いのが 特長。 |
「サバのへしこ」。メニューにある「へし こ」に首を傾げていたら板さんがサービ スしてくれました。へしこは魚のぬか漬 けのことで、燻製のような豊かな香りが 口中に広がります。 |
金沢に来たら当然地酒を呑まなければ いけません。 大吟醸池月(いけづき)を注文。 きりっとした切れ味と爽やかな香りがあ とひく旨さ、呑み過ぎ注意です。 |
こちらを含め、本店・2号店ともに満席必至の超人気店ですので予約必須です。 | |
05.炭火むかし焼 魚焼いたる/うおやきいたる ■電話 076-233-1147 ■営業時間 17:30〜23:00 ■休業日 日曜日 |
※掲載した記事やデータは2012年3月の取材に基づくものです。お出かけの際は事前に公式サイトや電話などでご確認下さい。