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―― ベテラン会員と新人公募作品が一同に ――

 国立新美術館
日本新工芸家連盟は、工芸の本質を問い、現代に望まれ、未来を明示できる生活造形を確立することを目標としている。
  
村山恵子 「思想の雫’09-1」

     
生活の中に求められるもの、生活を豊かにするための造形美制作のを改めて問い直し、多様化する造形志向の中にある工芸の位置づけを明確にしたいと考え取り組む展覧会であり、制作の方向性は比較的分かりやすい。

最近の陶芸の公募展では、木と組み合わせたもの、アクリル板やガラスなどに貼り付けたもの、金属でつなぎ合わせ大きく見せたものなど、どこまでが陶芸であり、何が技術で、陶芸表現の究極を無視した作品が入選している。悪しき傾向といえる中、当展の趣意は一貫しているといえる。


 
河合誓徳 「海」 加藤幸兵衛 「潤水」



工芸美術は陶器・磁器、彫金・鍛金・鋳金、染織、漆、木、人形、竹、革、七宝、ガラス、切金、籐、紙など多岐にわたり、最も多いとみられる陶磁器の入選作でさえ50点程と大変狭き門である。

―― 陶芸指導プロ養成塾・塾長 岡本立世、塾生・藤松洋光作 〈模索〉右、が昨年に続き連続入選を果たした。――

岡本塾長の厳しい目と熱の篭った指導の賜物といえる。


 




 
会場となった国立新美術館は、黒川紀章氏の生み出した、ガラスと曲線の芸術
    
ガラスアートに包まれた、フロアーラウンジでの一服、空中に浮かぶようなレストランでの舌鼓も館ならでは




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