インターネット版 No.62 全3ページ 1 | 2| 3

1 ・「第10回九炉土干支コンテスト」特集@ ・・・ 大賞&入賞 入選作品が決定!
2 ・「第10回九炉土干支コンテスト」特集A 
3 ・BOOK ・・・ 「綺麗さびの茶」遠州の美と心 


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大勢を占めた可愛らしさ
 現代の日本では、ペットが家族の一員として迎え入れられ、人と共に暮らしている家庭も多いことでしょう。 もちろん、そんななかで触れあう機会が多いのは、圧倒的に「犬」です。
 早くも10回展を数え、恒例となった全国公募展、「九炉土干支コンテスト」の今年度のテーマは、最も身近な存在の干支といっていい「戌」(犬)。 しかしそれだけに、多少、着想や狙いに偏りが生じ、例年とは異なる制作上の苦心があったように見受けられました。
 それは応募作全体の傾向なのですが、どちらかというと愛くるしく、可愛らしい作品が多勢を占め、力強さにやや欠けて、陶芸作品としての芸術性が足りないか・・・・とも思えました。
 しかし当然ながら、一般の方による人気投票では、とくにリアルに犬を感じられた4点の作品に人気が集中したようです。
 そういう事情も考慮し、苦渋の決断として、今年のグランプリ該当作はありませんでした。


人気投票の結果だけからいえば、身近なテーマなだけに、可愛らしくまとまった作に票が集中しました。 しかし「陶芸」としての視点から総合的に作品審査すると、今回は、残念ながらグランプリ該当作はありませんでした…。



形大賞
「ドッグ・ツインズ(犬型注器)」
冨田良介さん
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長崎県東彼杵郡
講評注器としての用途を、犬の形のなかに見出して作品化する一方で、犬ならではの特徴をよくつかんでいて、表現力がとても豊かな作品です。 他の動物にはない犬独特のスタイルを、しっかりと観察したうえで造形化しているからでしょう。 また、その技術力もなかなか巧みであり、正に部門大賞に相応しい作といえます。
(岡本立世総長 以下同)
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彫刻大賞
「ドッグ 男爵」
塩田喜彦さん
・・・・・・・・・・・・・・・
奈良県奈良市
講評シンプルな四角形を基本にし、そのなかに犬の表情を損なうことなく、極限までデフォルメし造形されています。 造形はもちろん、釉における装飾性からも、強い存在感を放っている堂々とした作に仕上がりました。 動きを感じさせるように工夫した透かし部分には犬の文字がさり気なく入れられ、効果的です。 当コンテストが求めている方向性の陶芸作品といえ、とても秀逸です。




 
「上手に乗れるかな?」 「咆哮群像」
(彫刻) (彫刻)
原 恵美子 さん 東京都品川区
中島勝司 さん 神奈川県横浜市

「日向ぼっこ」 「わんこみやげ。〜おひとつどうぞ〜」
(彫刻) (彫刻)
有賀正訓 さん 大阪府箕面市
吉永尚子 さん 山口県山口市



グランプリを獲る発想
 今回の最終審査では、1300票余のご協力を頂いた一般投票の結果を尊重し、まず、飛び抜けて集票力のあった4点の作品を「人気賞」とし、特別枠で顕彰することが決定しました。
 さらに、人気投票の結果もさることながら、総合的に審査し、陶芸作品としてとくに優れていた「ドッグ・ツインズ(犬型注器)」(形)と「ドッグ 男爵」(彫刻)が、今年度の最高賞として部門大賞に選ばれました。 「陶芸作品としての堂々たる存在感がある塩田喜彦さんの作と、犬の茶目っ気のなかに実用に耐えうる用途を持たせ、完成度の高い作品を作った冨田良介さんの作を部門大賞に選びました」(審査委員長・岡本立世総長)
 あえて陶芸展としての本コンテストの主旨を貫いて制作された作品が高く評価され、見事に大賞受賞へと結びついたのです。
 審査を終えた岡本総長は「残念ながら、陶芸作品としてインパクトの強いものが少なく、ソフトな雰囲気の作が多かったですね。 まず立方体などのシンプルな造形を考えて、そこにテーマを組み込むというような大胆な発想があってもいいのでは・・・」と、助言を下さいました。

 次年度のテーマは「亥」。 猪そのものでなく、猪のなにを表現するかがしっかりと決まれば、グランプリを掌中にするのも、意外に簡単かもしれません!



「お碗にワン」
(形)
竹中美利 さん 東京都

講評犬のイメージを打ち出しつつ、器としての機能性もしっかりと追求していて、オリジナル性の高い表現をなしえた作です。
「阿吽の泉」
(絵付)
田中光雄 さん 千葉県

講評細かな切り絵を、確かな技術力で施しました。 また釉の使い方など装飾的なオリジナリティーが高評価に結びつきました。


「丙戌」
(文字)
八谷栄子 さん 佐賀県 

講評安心して見られる技術力がある作です。 呉須の濃淡の使い分けが特にしっかりとしていて、実力がうかがい知れます。
「碗わん(高台)」
(文字)
竪山 明 さん 福岡県

講評高台を文字にしてみようという着想には、独自性があります。 考えの幅の広さや狙いのユニークさが評価されました。


「PUG PUZZLE」
(形)
小助川世志江 さん 石川県

講評犬の表情をパズルに仕立てたアイディアは独創性があり、技術的な仕上げもとても丁寧です。




 
「ペン立てと秘密の小物入れ」
(形)
有賀正訓 さん 大阪府
「犬箱 平成版」
(形)
筒井童太 さん 埼玉県
「戌型涼炉(風炉)」
(形)
伏石廣義 さん 香川県

「招福戌歳」
(彫刻)
小澤康麿 さん 愛知県
「阿吽」
(彫刻)
保田土夫 さん 大阪府





 
「ワン・ボックス(小物入れ)」
(形)
窪田洋道 さん 大阪府
「遠吠え to ハート」
(形)
藤松洋光 さん 千葉県
「『吠』〜守るべき何かの為に〜」
(彫刻)
熊本智代 さん 愛知県



 
「いぬ・張子ちゃん」
(彫刻)
大谷楠世 さん 東京都
「犬のおまわりさん」
(彫刻)
前田由美 さん 山口県



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