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薩摩焼の巻 (さつま) | 黒ぢょかの形は、シンボル・桜島を模したとも。 手付きの土瓶が「黒ぢょか」! 写真協力:鹿児島市観光課 |
薩摩焼は桃山時代から鹿児島県下で焼かれてきた陶磁器です。 その起こりは、ほかの九州の諸窯と同じく文禄・慶長の役(1592〜98)にまでさかのぼります。 藩主・島津義弘が朝鮮半島から多くの陶工を招致し、窯を築かせたのです。 それらが、竪野窯(藩窯)、苗代川窯(民窯)、元立院窯(民窯)、龍門司窯(民窯)など陶器を焼いた四窯と、磁器の平佐窯(民窯)という五系統に分かれて発展、現在に至っています。 その特徴を端的にいい表しているのが、「白もん」「黒もん」という呼び名です。 白もんは、別名「白薩摩」。 白い胎土を用いた藩主の御用品だったもので、いわゆる二重貫入が美しい高級品です。 対して黒もん=「黒薩摩」は、鉄分の多い胎土を生かして鉄釉を掛けた、丈夫な日用陶器です。 今回は、この黒もんのなかから、「黒ぢょか」にズーム・アップ! 「ちょか」は茶家。 名前もさることながら、そろばん玉のような形も愛嬌ある、焼酎用の土瓶(燗つけ器)です。 地元では、右手に黒ぢょか、左手に猪口をもって、炉端で温めながらチビリチビリやるのが通だそう。 焼酎ブームの昨今、薩摩にいったらぜひ手に入れたい、こだわりモノです。 |