インターネット版 No.48 | 全2ページ 1 | 2| |
1 | ・九炉土流 上絵付はこんなに楽しい! |
2 | ・とっておき WALKING POINTS (12) ・・・ 大谷(おおたに) |
左の壺は、白と黒の下地は釉薬で、隣りの花入はコバルトの色土で素地を焼いてから、各々上絵付をしました。 右の香炉も、呉須で下絵を施してからの上絵付です。どの作も個性的な上絵により、グッと作域が広がりました。 |
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■九炉土流の「絵付」とは?
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よく湯呑みなどに見られ、縦に上から下へと、細い線条を何本も引いたとても単純な文様があります。 線を麦藁に見立てて、これを「麦藁手」といいます。 この文様は、黒や赤の上絵付、あるいは呉須で描かれることが多いようですが、これも広義な意味においての絵付です。 作品によっては、この細い線が震えてゆがんだり、時にはかすれたりしています。 そういった風情が、まるで作者の心模様を投影しているかのようにも感じられ、なかなか興味深いものです。 このように、最も本源的な陶芸の絵付は、ひとつの点、あるいは一本の線からはじまっているともいえます。 とかく絵付と聞けば、微細に描かれた花鳥風月などを、思い起こしたりします。 しかし生活様式がますます多様化し、器が使われるシーンも、個々様々に変化している現代において、絵付だけが固定概念にとらわれたままの必要はありません。 そのように、まず旧態依然とした陶芸の絵付の概念から作者を開放し、そして、感じるまま個性的に色を使い、描きたいものを自由に描くことを提唱するのが、九炉土流の「絵付」です。 |
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■拡大する絵の可能性
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さて、そのような九炉土流の上絵付を実体験するためには、年に2、3回のペースで開講されている短期集中専門講座の中の「上絵付を学ぶ」コースを受講するのがベストです。 まず受講前までに、上絵付をしたい作品を各自で用意しておきます。 本焼を終えた陶磁器ならば、ほとんどどんなものにでも可能(ただし、織部などは不向き)だそうです。 過去に作った作品でも、あるいは市販されている白磁などのカップや皿にも、もちろん上絵付できます。 そして準備ができたなら、あとは思いのままに描くだけ。 もとより九炉土流の絵付では、写実的な絵柄であってもなくても構わず、なにを描くにも制約はまったくありません。 絵付を絵という概念で捉えず、自然に、装飾の一部として考えられる指導が受けられます。 実際、そういうアドバイスを受けると、不思議と肩の力がすっと抜け、自由に、軽やかに筆が走ります。 確かに、抽象的な幾何学模様に色を塗ったり、または一本の線をスッと入れるだけで、作品の雰囲気はまったく違った次元へと展開していきます。 絵付の範囲を捉え直す機会が得られて、表現の可能性が驚くほど拡大するのを、はっきりと実感できる専門講座です。 |
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短期集中専門講座「上絵付を学ぶ」 | |||
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