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『こだわり旅手帖9 萩焼・・・前ページの続き』



 
■ヴューポイント 

●山口県立萩美術館・浦上記念館
平成8年10月に開館した気鋭の美術館です。 萩出身の実業家・浦上敏朗氏の寄贈による東洋陶磁と浮世絵を中核に展示・収蔵しています。 陶磁は紀元前3000年頃の彩陶から明代後期の古染付までがあり、漢の緑釉、唐三彩、高麗青磁など、めったに拝めない優品ぞろい。 浮世絵に至っては北斎、歌麿、写楽ら、超一級のコレクションが鑑賞できます。
◎住所/萩市平安古
◎TEL/0838-24-2400
◎開館時間/AM 9:00 〜 PM 5:00 (入館は4:30まで)
◎休館日/毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始
◎入館料/大人・大学生1000円前後(催事により異なります) 

●萩焼資料館
萩焼の歴史に触れたいなら、萩城跡の入口近くにあるここを訪ねましょう。 なかなかお目にかかれない古萩が400点もあるほか、変わったところでは江戸期の細工物なども展示されています。 初代の坂倉新兵衛や坂高麗左衛門作の名品も、もちろん見逃せません!
◎住所/萩市堀内
◎TEL/0838-25-8981
◎開館時間/AM 8:00 〜 PM 5:00
◎休館日/無休
◎入館料/大人300円 

●石井茶碗美術館

萩焼の井戸茶碗。 井戸といえば高麗茶碗のうち、最も重きをなす物で、名物も少なくありません。 萩でも多くの作家がこの茶碗を手掛けています。
茶陶の里・萩ならではの、やきもの美術館です。 故石井規源斎氏が収集した個人コレクションで、江戸初期の古萩を中心に、萩焼の原点ともいえる高麗や、瀬戸、伊万里など貴重な茶碗の数々が鑑賞できます。
◎住所/萩市南古萩
◎TEL/0838-22-1211
◎開館時間/AM 9:00 〜 12:00、 PM 1:00 〜 4:45
◎休館日/毎週月曜日、1・6・12月(但し1月1〜5日は開館)
◎入館料/大人1000円

●吉賀大眉(よしかたいび)記念館
吉賀大眉(1915〜91年)は文化功労者、日本芸術院会員でもあった陶芸家です。 伝統的な萩釉に鉄釉などを重ねた独創的な作風で、萩焼の芸術性を追求しました。 ここでは初期〜晩年までの作品はもとより、水墨画、スケッチ、原材料など、また本人がコレクションした古萩、東洋陶磁などが展示され、大作家の全貌に触れることができます。
◎住所/萩市椿東前小畑
◎TEL/0838-26-5180
◎開館時間/AM 9:00 〜 PM 6:00 (入館は5:00まで)
◎休館日/無休
◎入館料/大人500円

●熊谷美術館
萩藩御用達として栄えた豪商・熊谷家、その代々が収集した美術工芸品を展示しています。 熊谷家住宅は国の重要文化財に指定された由緒ある建物で、そのうち土蔵3棟を美術館としたもの。 萩焼の名品をはじめ、茶道具、雪舟三幅対など書画屏風類が見どころです。
◎住所/萩市今魚店町
◎TEL/0838-22-7547
◎開館時間/AM 9:00 〜 PM 5:00
◎休館日/毎週月曜日(祭日の場合は翌日)、12月31日、1月1日
◎入館料/大人700円

●萩焼の窯元
萩市だけで100を越える窯元があり、市内各所に点在しています。 そのうち椿東周辺は萩焼発祥の地だけあって名窯が集まるところ。 もちろん城下町周辺にも人気作家の窯や販売店があります。 工房や登窯の見学ができる窯もありますが、かならず事前予約が必要です。 「せっかく訪ねたのに見られなかった・・・」なんてことがないように、萩の窯元めぐりは、作家の情報収集から始まって入念な下準備をして出掛けましょう。
・坂高麗左衛門窯 ・兼田天龍山窯
 ◎住所/萩市椿東 1922  ◎住所/萩市椿東前小畑1区
 ◎TEL/0838-22-0236  ◎TEL/0838-22-2468

朝鮮式の登窯で、約1300度で焼き上げるのが萩焼の伝統。 釉の熔け具合を見ながら、赤松の薪を投入します。
・岡田窯 ・野坂江月窯 ・波多野指月窯
 ◎住所/萩市椿東前小畑1区  ◎住所/萩市玉江2区 4319  ◎住所/萩市堀内2区 247
 ◎TEL/0838-25-3737  ◎TEL/0838-22-0879  ◎TEL/0838-22-1784

●ぎゃらりぃ彩陶庵
最新の萩陶芸界の情報が知りたいなら、ここははずせません。 最近12代三輪休雪を襲名した三輪龍作氏はじめ、兼田昌尚、新庄貞継、坂高麗左衞門各氏などの巨匠から新進若手作家までを扱っています。 ポリシーのあるオーナーの選択眼に、信頼のおけるギャラリー。
◎住所/萩市呉服町 1-3
◎TEL/0838-25-3110
◎定休日/第3月曜日

●萩焼ゆうび
松陰神社近くの、東光寺前にあるモダンな雰囲気の萩焼専門店。 永地博正、濱中月村各氏など、萩でも比較的新感覚の器を扱っています。 近くには坂高麗左衞門窯などの名門をはじめ窯も多いので、窯元見学の折にはぜひ立ち寄ってみて。

●原田長寿園
伝統的な萩焼がまず見たいという人は、茶陶が充実したこの店へ。 さすがに茶陶は高価で敷居が高い気もしますが、勉強のつもりでぜひのぞいてみたいものです。 お店の人に話かければ、きっと気さくに相談にのってくれます。
◎住所/萩市東田町 38
◎TEL/0838-22-0861

●菊谷家住宅
国の史跡に指定されている萩城城下町には、かつて武家屋敷や町屋が軒を並べていました。 今も道筋には当時の面影が色濃く残っていますが、そのシンボル的存在が菊谷家住宅です。 萩藩の御用達をつとめた豪商の屋敷で、その広大さにビックリ! 日本でもっとも古い町屋のひとつで、主屋、本藏、金藏、米藏、釜場の5棟が国の重要無形文化財に指定されています。 「ぎゃらい彩陶庵」もこの一画、菊屋横町にあります。
◎住所/萩市呉服町
◎TEL/0838-25-8282
◎開館時間/AM 9:00 〜 PM 5:30 (入館は5:15まで)
◎休館日/12月31日
◎入館料/大人500円

白いなまこ壁の美しい菊谷家住宅は、江戸初期に創建された萩藩御用達の豪商のお屋敷。 菊屋横町をはさんで向かいに、「ぎゃらりい彩陶庵」があります。

●鍵曲(かいまがり)
萩城下に残る、鍵の手のように曲がった江戸時代の道筋。 進入した敵を迷わせ、追いつめるためのもので、左右が高い土塀に囲まれ、迷路のようになっています。 まるで、時代劇のセットのような景色が、萩情緒たっぷりです。
◎住所/萩城城下町周辺

●藍場川

江戸時代、下級武士が住んでいたという藍場川地区。 藩営の藍場があったことから、こう呼ばれるようになりました。
絵になる場所の多い萩ですが、ここ藍場川沿いは歴史的景観保存地区に指定されたおすすめスポットです。 川に沿った旧湯川家住宅の台所には、なんと、家の中から川の水が使えるように工夫された「ハトバ」と呼ばれる洗い場が残っていたり、風情のある石橋など、江戸の生活情緒たっぷり。 カメラ片手のそぞろ歩きにピッタリです。

●松陰神社

幕末の先覚・吉田松陰をまつる松陰神社。 この周辺は萩焼発祥の地でもあり、三輪窯をはじめとした名窯や、作家の陶房が多く見うけられます。
幕末の思想家・吉田松陰を祭神とする神社。 境内には、高杉晋作など維新の指導者たちを育成したことで知られる松下村塾(国指定史跡)や、松陰幽囚の旧宅、墨跡展示室などがあります。 時代の先覚だったがために、あまりに短く激動の生涯を送った天才の一端に触れることができます。
◎住所/萩市椿東松本 

●萩しーまーと

市民の台所をスローガンにした、道の駅「萩しーまーと」。 地元食材オンリーというこだわりで、萩の海の幸が堪能できます。
「しーまーと」はシーサイドマーケットの略。 萩漁港直結の立地という道の駅です。 とはいっても、地元市民の台所を目指しているので、旬の品を地元価格で買えるのが一番のメリットとか。 地元産にこだわった海の幸・山の幸を揃えた店舗が16軒、本格海鮮料理のレストランが3軒入っています。 また、食や観光の情報ターミナルにもなっていて、旅行客にも何かと便利なスポットです。 
◎住所/萩漁港に隣接 

(※なお、休業日、営業時間、料金などは予告なく変更される場合がありますので、お出かけの前にご確認下さい)





■情報BOX 

●萩焼まつり(春)

ひとくちに白釉といっても、作者によってニュアンスはさまざま。 こんな温かな色をした萩焼もあります。
1991年から始まった萩焼まつりは、ゴールデンウィークの大イベントとしてすっかり定着。 県内外から押し寄せる何万人もの買い物客で、熱気ムンムンのやきもの市です。 萩焼400年の歴史を考えたら驚くほど新しい陶器市ですが、やはり茶陶の産地ということで流通の特殊性もあるのでしょう。 それだけに70を越える窯元が一堂に集まり、しかもお買い得とあれば見逃せません。 また、会場で行われている「萩焼イロイロ展」は要チェック。 展示中の萩焼約100点を抽選でプレゼント! という嬉しい企画が待ってます。
◎期間/5月1日〜5日
◎会場/萩市民体育館 
※変更されることもありますので、事前にお問い合わせ下さい。
◎問い合わせ先/萩市観光課 TEL. 0838-25-3131

●秋の萩焼まつり
年2回に開かれる陶器市。 こちらは田町商店街の空き店舗を利用して開催されるもの。 春に比べれば小規模とはいえ、約40軒もの萩焼の即売店が出店します。 ほかにも小萩人形、竹製品の展示や、特産物の販売、萩焼の茶碗で飲める抹茶席などもあります。 高価なイメージの萩焼が、まとめ買いのチャンスです。
◎期間/10月(要確認)
◎会場/萩市田町商店街(防長バスセンターより徒歩2分)
◎問い合わせ先/萩商工会議所 TEL. 0838-25-3333

●作陶体験
窯元が多いわりに、意外と少ない萩の作陶スポット。 旅の思い出に萩焼の器作りが希望なら、スケジュールにしっかり組み込んで、忘れず予約しておきましょう。 萩城跡に近い城山窯ではろくろ・手びねり・絵付体験が、吉賀大眉記念館では手びねり・絵付体験ができます。 天龍窯はインターネットのホームページからも申し込みができます。
千春楽城山窯
 ◎住所/萩市堀内 37-1
 ◎TEL/0838-25-1666
吉賀大眉記念館
 ◎住所/萩市椿東前小畑
 ◎TEL/0838-26-5180
萩焼会館
 ◎住所/萩市新川東区 3155
 ◎TEL/0838-25-9545
天龍窯
 ◎住所/萩市椿東 3162-4
 ◎TEL/0838-25-2649
 ◎URL/http://www.tenryu.net/

●萩・椿まつり

約25,000本のヤブ椿が自生するという、笠山虎ヶ崎の椿群生林。 2月第3土曜〜春分の日までの開花時期には椿まつりが開かれ、無料シャトルバスも運行されます。
ポンと一輪挿せばサマになる椿は、いかにも茶花という感じ。 茶陶・萩焼にもピッタリですね。 萩市の北部・笠山の虎ヶ崎灯台周辺には、なんと25,000本のヤブ椿が自生する見事な群生林があります。 2月下旬から春分の日までは「椿まつり」が開催され、観賞のチャンス。 無料で椿の見どころガイド(予約制)をしてくれるほか、特産品の販売、郷土芸能の披露、抹茶席なども設けられます。 現地までの交通はシャトルバス(無料)が便利です。
◎期間/2月第3土曜〜3月21日
◎場所/笠山椿群生林(越ヶ浜)
◎椿見どころ案内人の申込み/萩観光ボランティア協会 
  TEL. 0838-25-3527

●食事処 あじろ
萩で味わうなら、やはり日本海の海の幸。 「あじろ」は地元の陶芸家も推薦する、料理良し、器良し、そのわりに良心的なお値段の名店です。 ちなみに店内に掛けてある「あじろ」の書は三輪龍作氏の手によるもの。 おすすめはウニ丼定食3500円!懐石は6000円〜。 テレビにも度々登場する人気店なので込み合います。 予約をした方が無難です。
◎住所/萩市今古萩 43-1
◎TEL/0838-22-0010
◎営業時間/AM 11:30 〜 PM 2:00、 PM 5:00 〜 9:00 

●土産 たけなか
松蔭神社近くの土産物屋たけなかは、知る人ぞ知る人気の店。 萩名物の夏みかんの中味を丸ごとくり抜き、100%果汁のゼリーを流し込んだ「夏みかんゼリー」の直売店でもあります。 羊羹を流し込み丸ごとミツで煮込んだ夏みかんの「丸漬け」も、萩土産にもってこいです!
◎TEL/0838-25-4111

(※なお、営業日、営業時間、料金などは予告なく変更される場合がありますので、お出かけの前にご確認下さい)
 





■アクセス 

◎電車/新幹線なら山陽新幹線の新萩駅下車、直行バスで東萩駅まで約1時間20分。
      JR山陰本線なら、東萩駅か萩駅で下車。
◎飛行機/石見空港から直行バスで東萩駅まで約1時間20分。
◎高速バス/東京から約13時間45分。 大阪から約10時間30分。 広島から約4時間。
◎マイカー/中国自動車道山口ICから萩、または山陽自動車道防府東ICから萩まで約1時間10分。 

 
■総合問い合わせ先 

萩市観光課/TEL. 0838-25-3131
(社)萩市観光協会/TEL. 0838-25-1750
萩観光ボランティア協会/TEL. 0838-25-3527
http://www.hagicity.com/
 
写真協力:山口県東京観光物産センター




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