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Relax & Ceramics
リラックス・セラミックス
茶香炉 植物の香りには、人の心と体に作用する不思議な力があります。日本のお茶の葉っぱも、しかり。今回は、巷で話題のアロマテラピー「茶香炉」を紹介します。

 最近、日本発のアロマテラピー「茶香炉」が人気の兆し。 香炉の蓋(皿)の部分に煎茶を置いて、下からロウソクの火であぶるのです。 3分ほどでほのかな甘い匂いが立ち始め、2時間くらい、よい香りが持続します。
 これは、いってみれば焙じ茶そのもの。 そういえば、お茶屋さんの前で香ばしい香りに遭遇すると、ホッと心が和んだりします。 あれって日本人のDNAでしょうか・・・。 そもそも、お茶には沈静効果や、ヒーリング効果があるそうです。 ちなみに、イタリアの有名ブランドの香水や化粧品には、グリーンティーの香りの効果をそのまま生かした製品があるとか。 ストレス気味の現代の日本人が、茶香炉の懐かしい香りに惹かれるのも、自然なことなのですね。
 写真の茶香炉は、石井静子さんの秀作。 緋襷釉の上に黄伊羅保釉を重ね、さらに濃い部分はトルコ青結晶釉を吹き重ねたという深い色合いと、存在感のある形がピッタリです。
 茶香炉のお茶っ葉は、焙じ茶として、もちろん楽しめますよ!

作品:石井静子
高13.0 径10.0×9.0cm





ダークな色に柔らかなストライプ模様が映える、シックな器。今回は、釉薬でイッチン描きした、ハイ・テクニックな作の登場です。 
37 燻し金彩釉+チタンマット釉+透明釉

 この作品には、まず、内側に機能性を考えて透明釉が掛かっています。 一方表側は、地の部分は無釉ですが、ストライプ模様に釉薬が使われています。 クリーム色がチタンマット釉、黒茶っぽい方は燻し金彩釉です。
 この模様は、イッチンで描いたもの。 盛り上がった線が特徴のイッチンは、通常は泥をスポイトに入れて描く技法です。 ところが、ここでは、泥の代わりに釉薬を用いたのです。
 そこには、必然的な理由がありました。 イメージする黒い器を作るため、作者は伊賀土に顔料を入れて素地土作りから始めています。 その土の質感を消さずに、柔らかな線模様を描くには、この方法が、最適だったのです。

作品:新井 泉 高9.5 径13.5cm
 この釉のイッチンのポイントは、泥と違い「熔ける」ということ。 焼いたら熔けて広がったり、他の釉にくっついたりしないよう、濃度の調節、模様のレイアウトの工夫など、経験が必要です。 焦らず、トライしてみましょう!



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