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「唐九郎のやきもの教室」
加藤唐九郎 編
 
 歴史に名を残す陶芸家のうち、もっともポピュラーな有名人は魯山人、そして、唐九郎です。
 加藤唐九郎は、今から100年以上前に瀬戸の窯屋に生まれました。 幼少から陶技に親しみ、弱冠16歳にして窯の主となった生粋の陶工です。 のちに桃山陶の再現に心技を傾け、茶陶、とくに茶碗に比類のない名品を遺しました。 また、陶芸界を揺るがした「永仁の壺」事件では渦中の人となり、いかにも陶芸家らしい印象深い風貌とともに歴史にその名を刻みました。
 そんな陶芸家は探求心や知識欲の旺盛な人だったのでしょう。 『原色陶器大辞典』(淡交社 1972年)をはじめ多くの著書も残しています。 なかでも本書は、 まさに、やきものに関する生き字引のような唐九郎の魅力が詰め込まれた一冊です。
 内容は、「やきものとは何か」に始まる基礎知識から、作陶技術(土作り〜焼成)、そして鑑賞にいたるまで。 Q&A形式で進む唐九郎の語りを読んでいると、まるでこの大作家に入門し、修行の合間に師匠の口伝を聞いている・・・・、そんな気分になってきます。
 そして何といっても面白いのは、やきものに対する独善的意見や感想が入っているところ。 タイトルの“唐九郎の”やきもの教室、たるゆえんです。 老成の大陶芸家の言葉に新しい発見がありそうな、必読の名著です。

(問)新潮社
TEL 03-3266-5111
 http://www.shinchosha.co.jp





−−前号のお話で、お茶には高麗茶碗がよく合う、とお聞きしました。
 では実際に、私たちにもお茶がおいしく飲める茶碗となると、どういうものがあるのでしょうか?

 安藤●ひと言でいえば、やはり味のあるものがいいと思います。 味のあるものとは、磁器とは違ってある程度の厚さがあって、つまり柔らかみや温かみがある茶碗のことです。
 どちらかというと高麗系の茶碗に見られる、柔らかな雰囲気を持つものです。 土の持つ温かみが、釉薬を通しても伝わってくるような。

−−そういう茶碗を拝見する場合、鑑賞のポイントとなるのは、やはり高台なのでしょうか?

 安藤●高台や高台廻りは重要なポイントですが、土をよく知っている専門家ならば、それがどこの産地のものか判別できます。 しかしそうでなければ、形式的に高台をひっくり返して見ても、あまり意味はないかも知れませんよ。
 それよりもまず、最初に見るのは全体のバランスでしょう。 それぞれの茶碗によって特徴がありますから、とにかく姿全体を大づかみに見て、どういう種類の茶碗かを観察することが大切ですね。

−−はい・・・。 確かに、意味もなくいきなり高台をひっくり返してみたり、やたら細部にばかり気がいってしまい、つい、肝心な全体の印象が希薄になってしまっていることがあります・・・。
 
 安藤●いつも茶碗全体を捉えて見る習慣を身につけると、今度はロクロ目が立っているなどの様子が、自然に見えてくるようになりますよ。 そして次に、色や土味がどうなっているかと観察を進めます。
 たとえば高麗茶碗だとしたら、やはり共通した特徴が認められますから、そういった姿形を鑑賞し、そして、釉の掛かり方、また見込みや茶溜まり、目跡などを見ていくようにします。 それから、土味を拝見するのがいいでしょう。 
(構成・編集部)





目にも旨い!男の簡単 Cooking (31)
小松菜のゴマ和え
「母の味」という感じのゴマ和えも、市販のすりゴマを使えば楽勝です。 季節の青菜ならほぼOKだし、なにしろ器に映えること!栄養のバランスだって文句なしです。 



作品:石田三千代 径20.0cm
◆材料(4人分)
小松菜:1束、
ゴマだれ (すりゴマ:大さじ3〜4、 砂糖:大さじ1強、 しょうゆ:大さじ1、
 酢:小さじ1、 塩:少々)
すりゴマ(飾り用):適宜
       
◆作り方
@ 小松菜は茹でたらすぐに冷水に取り、水気をよく絞って長さ3cmに切る。
A すりゴマは少し気張って良質なものを選ぶこと。 これが風味を出すコツ!
B ボウルにゴマだれの材料を入れよく合わせたら小松菜を加え、和える。
C 器に品よく盛りつける。 好みで、さらに半ずりのゴマをふるのもいい。
   




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