(20) ティーカップ&ソーサー | |
カップの片側についた把っ手、対のソーサー。何気なく使っているティーカップは、日本産の湯呑みと大分違った形をしています。そんな形の来歴を辿るのも、器の愉しみ方の一つです。 |
開き気味の口元を、手慣れたアラベスク模様が飾っています。 繊細な把っ手や広縁のソーサーとのバランスもよく、優美な印象の写真の器は、紅茶用のカップ&ソーサーです。 ティーカップといえば、コーヒーカップとともに西洋陶磁器の花形です。 中国、インド、セイロンからヨーロッパに伝わった紅茶は、初期には薬として珍重された上流階級の飲み物でした。 当然、器もそれにふさわしい姿で発達してきたのでしょう。 そこでティーカップにまつわる、とっても面白い把っ手の話。 1600〜1700年代のカップには把っ手がなく、ソーサーは深かったといいます。 把っ手は、技術的に未熟で取れやすかったのでつけない場合も多かっ |
作品:安藤富美子 カップ 高4.5 径12.0cm ソーサー 径18.5cm |
たとか。 ソーサーは「西欧人が猫舌で、カップの中味を一度ソーサーにあけて冷まして飲んだ」というのです。 猫舌は愉快な推理ですが、何だか他の理由もありそうですね。 ところで、日本の湯呑みに把っ手は・・・。 興味は尽きませんが、それはまた、次の機会に。 |
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