インターネット版 No.26  全2ページ 1 | 2

1 ・「現代陶芸の100年」展 「セラミックパークMINO」多治見にオープン
2 ・目にも旨い!男の簡単Cooking (28) ・・・ かぼちゃとリンゴのレーズンサラダ

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今秋、岐阜県多治見市に「陶磁器」をテーマにした産業と文化の複合施設・「セラミックパークMINO」がオープンします。
「セラミックパークMINO」の全景
(写真協力/岐阜県現代陶芸美術館 以下同)


富本憲吉「色絵金銀彩四弁花模様飾壺」 
岐阜県現代陶芸美術館蔵 作品撮影:斎城 卓 



陶磁器に関わる中核施設 

 岐阜県東濃地方、とりわけ多治見市とその近隣市町で焼かれるやきものが、「美濃焼」です。 和食器はもちろんのこと、洋食器やタイルなども大量生産され、日本の全生産量の半数近くを、美濃産が占めるといいます。 まさに、「陶都」と呼ぶに相応しい陶産地といえます。
 陶都・多治見までは、名古屋駅からJR中央本線に乗ればおよそ45分。 名古屋のベットタウンという役割を果たしながら、他方で、美濃焼の生産地であり、同時にやきものの集積地という性格も併せ持っている街です。
 とはいっても、今でこそ桃山陶の華・志野や織部焼は、歴史的に美濃で焼かれたものと証明されていますが、長い間、なにかと愛知県瀬戸市の「せともの」のネームバリューに押され続け、後塵を拝してきたのも、れっきとした事実です。
自然環境との調和を考慮して設計されたという「セラミックパークMINO」の橋梁部分。
 ところが1986年から、トリエンナーレ(3年ごとに開催)形式ではじまった「国際陶磁器フェスティバル美濃」展の成功によって、国内はもとより、海外においても「MINO」の名は、とてもよく知られるようになりました。
 同展は、美濃の三市一町(多治見市、土岐市、瑞浪市、笠原町)などで開催されていて、その中核となる催しが、世界規模の陶磁器コンペです。 対象作品は「陶磁器デザイン部門」と「陶芸部門」のふたつに分かれ、ファエンツァ(イタリア)やプラハ(旧チェコスロバキア)などの国際的な陶芸コンペを意識した、名実共に日本最大級のやきものの公募展です。
 前回(第5回)の実績からいえば、陶芸部門は約1300点、陶磁器デザイン部門には約400点、陶芸先進国の欧米やオセアニアに限らず、中南米やアフリカなどを含む、52の国と地域から作品の応募があったそうです。
 今秋、多治見市東町地内にオープンする「セラミックパークMINO」は、もともとこの国際的な陶磁器コンペの主会場に、という構想から立上がった計画でした。 そして日本初の、やきものを中心テーマにすえた産業と文化の複合的な施設を標榜し、「国際陶磁器フェスティバル美濃'02」をオープニング・イベントとして、「セラミックパークMINO」が本年10月12日に、いよいよオープンを迎えることになりました。
 総面積約17ヘクタールという広大な敷地内には、自然が体感できるようにと、多くの散策ルートも作られています。 施設内部に入っていくと、コンペなどの会場となるメッセと、同時に開館する「岐阜県現代陶芸美術館」のほか、国際会議場、ライブラリーやレストランなど、様々な機能が備わっています。
 またもちろん、同施設を中核として、多治見市街地などの周辺地域とも関係を保ちながら、「オリベストリート」や「どんぶり会館」など、種々のプロジェクトや観光施設との連携をはかる使命も、忘れてはいません。
 桃山時代から現代へと連なる、古き佳きやきものの伝統と、近代的な工業生産品としての陶磁器が同居する産地・美濃。 それら豊かな陶芸文化を背景にして、「セラミックパークMINO」は、世界各地からの陶磁器に関する人と、情報の集まる中心施設となるよう、大きな期待を集めつつ活動を開始します。
ピーター・ヴォーコス 「ウォーキング・ウーマン」
岐阜県現代陶芸美術館蔵
作品撮影:斎城 卓


八木一夫  「頁1」
岐阜県現代陶芸美術館蔵
作品撮影:斎城 卓



「現代陶芸の100年」展
■岐阜県現代陶芸美術館
■第1部「日本陶芸の展開」
  2002年10月12日〜2003年1月19日
■第2部「世界の陶芸」
  2003年1月25日〜2003年3月23日

●岐阜県多治見市東町4-2-5
●問い合わせ TEL.0572-28-3100

真新しい同美術館の展示室内部。 
 日本の美術館としては特異の、「陶芸の現代とは、何か?」をテーマに掲げ、岐阜県現代陶芸美術館が、「セラミックパークMINO」内に開館します。
  同館の作品収集のテリトリーは、国内外の19世紀末以降の陶芸作家の作品を主に、現代生活のための実用陶磁器、それに、モダンデザインの系譜としての産業陶磁器の三分野です。
  とくに開館記念展では、これまで収集してきた作品を中心に、1部と2部に分けて、日本と世界の状況を「現代陶芸の100年」と題して展示されます。
  第1部の「日本陶芸の展開」では、日本の現代陶芸のたどってきた100年の歴史を振り返りながら、各陶芸家の作品170余点が鑑賞できます。 また、90年代以降の、現代陶芸の最新の状況も概観できる展示構成になっています。 続いての第2部「世界の陶芸」では、急速に変貌する世界の現代陶芸の様相を鳥瞰する内容といいますから、こちらも要チェック!です。 



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