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  とっておき
★ WALKING POINTS ★   <6> 
(はぎ)
(山口県萩市)

藍場川沿いは、城下の生活を伝える景観保存地区です。
美術館開館につながった
超一級のコレクション

 「一楽、二萩、三唐津」
 これは茶に適う茶碗を優れモノ順にいったものですが、萩では「一萩、二・・・・」、と使うとか。 いずれにせよ萩焼が古くから茶人に珍重されてきたやきものなのは確かです。 萩焼の人間国宝、三輪休雪(きゅうせつ)氏の代表作が「鬼萩(おにはぎ)」と銘打たれた茶碗であることも、この際覚えておきましょう。
 さて、予習はその辺にして旅の実践篇へ。 一時のブームは去ったといえ、萩は人気の旅行先として上位にランキングされる観光地です。 それだけに見どころも多く、うっかり欲張ると肝心のやきものの旅がおろそかに・・・。 だから、駅前でレンタサイクルを調達したら、まず迷わず“菊屋家住宅”を目指してください。 この周辺は萩城城下町として国の史跡に指定されている地区です。 なまこ壁の美しい菊屋横町という路地に、かの「ぎゃらりぃ彩陶庵」があります。
 ここは萩在住の陶芸家の作品を中心に展示する、現代萩焼の発信基地。 一通り見れば萩陶芸界の動向が何となくわかってきます。
 彩陶庵を出たら歴史の薫る名所旧跡を横目に、川を目指して南へ。 新堀川と藍場川が交差する辺りに、2つの美術館が建っています。
 私立の石井茶碗美術館では、お膝元でもなかなかお目にかかれない古萩をお見逃しなく。
使うほど肌が変わる萩焼は「萩の七化け」といわれます。
写真協力:山口県東京観光物産センター
そしてハイライト、山口県立萩美術館・浦上記念館へと足を運びます。 ここは、東洋陶磁と浮世絵のコレクターとして著名な萩出身の実業家・浦上敏朗氏の蒐集品の寄贈を受けて、平成8年に開館した気鋭の美術館です。 やきものでは紀元前3000年頃の彩陶から17世紀の古染付まで、折り紙つきの一級品がズラリ! これらを前に、もしコレクションの精神性や、もの作りのエネルギーを少しでも感じられれば、そのあとの器の旅が、ひと味もふた味も違ったものになるはずです。
 さぁここまで見たら、150軒以上という窯元を的を絞って巡るもよし、観光スポットで一息つくもよし・・・。 萩情緒に、存分に浸ってください!



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