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「雄叫び〈61歳の反抗〉」
(彫刻)

塩田喜彦さん 大阪府
「蒼いポット」
(絵付)

菅波優江さん 福島県
「○△□シリーズ」
(絵付)

黒田孝子さん 茨城県

 



 
「馬は馬連れ」
(彫刻)

伊藤水紀さん 大阪府
「馬の花入」
(形)

山本 昇さん 長崎県
「馬型花器」
(形)

野川 涼さん 東京都

 
「1366」
(絵付)

前田房夫さん 埼玉県
「静かな馬(ソルトシェイカー)」
(形)

筒井童太さん 埼玉県

 



 
「静かな馬(どびん)」
(形)

筒井童太さん 埼玉県
「太子の鞍」
(形)

塩田喜彦さん 大阪府
「風の使者(花入)」
(形)

日高頌子さん 福岡県

 
「草馬」
(彫刻)

竹中美利さん 東京都
「ハッピーホース」
(彫刻)

竹中美利さん 東京都

 
「名馬〈赤兎〉三国志から」
(彫刻)

塩田喜彦さん 大阪府
「白馬」
(絵付)

菅波優江さん 福島県

 



◎安定感ある応募作 
 彫刻、形、文字、絵付の各部門のなかで、それぞれ最も優れた作品が、グランプリ候補作品として大賞に選ばれます。 つまり大賞作品のなかに、とくに傑出した作品がある場合、その作品がグランプリに選定されます。
 じつは今年度は、彫刻部門の大賞候補が二作品あり、一般投票でも各審査員の判断でも評価が二分されていて、最後の最後まで競り合いが続きました。 それで一時、本年度の彫刻大賞は二作品同時受賞へと傾きかけましたが、最終的には山上和子さんの「天馬座禅す」が大賞に、金子陽子さんの「若駒」を審査員特別賞にシフトすることで、意見がまとまりました。
 金子さんの作品が特別賞に決まった理由は、大賞作品との優劣では決してなく、「ムダを省き、削ぎ取る難しさ」を克服した作品だからでした。 つまりそれは、彫刻部門だけに限られた制作姿勢ではなく、どの部門にも共通した作品制作の根本と判断され、特別賞受賞の栄誉につながりました。 ですから今回に限って、彫刻大賞と審査員特別賞ではほとんど差はなく、ともに秀でた作品が選定されました。
 続いて形、文字部門の大賞と順次決まっていきましたが、絵付部門の入選作だけは、なかなか大賞に相応しい候補を絞り込めませんでした。 そこで苦渋の決断でしたが、残念ながら、本年度絵付部門の大賞該当作は「なし」となりました。

馬という統一テーマのもと、ユニークで多様な馬々が日本各地から集まってきました。



今年度からは「九炉土展」会場(東京・新宿センタービル)に、全入選作が誇らしく展示されました。  
 あと一歩、大賞には惜しくもおよばない作品が、オリジナル賞です。 もうひと工夫さえあれば、どれも大きな賞が狙える実力のある作品ばかりです。
 こうして今年度の受賞、入選作品を見ていくと、作品の質が高く、技術的にも安定していることに気がつきます。 そしてなにより、作者がとくに訴えたかったテーマが、はっきりと伝わってくる作品が多くあります。 このことは、今回から採用された一般人気投票の結果にも、少なからず表れています。
 「かといって、受賞作品は人気投票の票数だけで決まるのではありませんよ。 いいものはいいのですから。 それは、本質的にいつも変わりません」
 岡本立世審査委員長は、単に大衆迎合的な作品に陥らないように注意を促しながら、次回テーマ「羊」の応募作に、熱い期待を寄せていました。 





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瀬戸焼

 瀬戸(愛知)といえば、「瀬戸焼」よりも「セトモノ」の方が私たちには耳馴れた言葉です。
 なにしろ国立国語学研究所の調査によれば、「セトモノ」は、東日本を中心に全国の約六割の地域でやきもの(陶磁器製品)を指す代名詞として使われているのだそうです。 ちなみに、残りの三割は「カラツモノ」、一割が他の呼称を使っています。
 つまり、それほどに瀬戸産のやきものが全国を席巻したということ。 日本初の施釉陶を焼いた猿投(さなげ)窯にルーツを持つ瀬戸焼は六古窯の中でも抜きんでた技術力を持ち、古くからやきもの先進地だったのです。
 今回は、そんな歴史の証人として残る伝統的な窯をズーム・アップ。 市の文化財に指定されている「本業(ほんぎょう)窯」は、すり鉢なら一万個といわれる江戸期の巨大登窯です。 ところで、この「本業」という言葉、江戸享和年間に始まった磁器生産を新製(焼)というのに対し、元々の陶器の仕事を指すのだそうです。 今では染付磁器のイメージが圧倒的な瀬戸焼ですが、本業=陶器とは何だか意外で、興を惹きます。
 一千年の歴史を持つ瀬戸は、ポピュラーでいて未知数。 そんな、不思議な魅力ある産地です。

写真協力:瀬戸市産業観光課
肥前や京都に遅れた染付生産も、すっかり瀬戸の顔。

本業窯では民芸的な雑器が焼かれました。
  



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