| とっておき | |
| ★ ＷＡＬＫＩＮＧ ＰＯＩＮＴＳ ★ | |
| 布志名(ふじな) (島根県八束郡玉湯町） | |
| 日本産スリップウェアを訪ねて、出雲へ | |
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白洲正子氏が愛した収集品に、出雲の古い「ぼてぼて茶碗」があると、聞いたことがあります。 丸くどっしりと愛嬌のあるこの茶碗が焼かれたのが、布志名を中心とする島根県の窯場です。 布志名焼は、国内では大変珍しい黄色い釉が特徴の陶器です。 この黄釉は、宍道湖周辺で産する来待石（きまちいし）が原料。 淡いクリーム色から山吹色までさまざまな色調を生み出します。 現在窯元はわずか4軒ですが、民芸風陶器を焼く窯と、茶人大名・松平不昧公時代の名残を見せる茶陶の窯が併存しています。 とくに、民芸運動の洗礼を受けた船木窯や湯町窯の、異国情緒あふれる作風は必見です。 かのバーナード・リーチが伝授したスリップ技法（泥しょう状の化粧土を用いて模様を描く）を駆使したオリジナルな器は新鮮で、きっと好感が持てます。 |
 玉作り職人の村を再現した史跡公園には、資料館も。 |
| そこで、今回は玉造温泉駅すぐ側の湯町窯に注目。 3代目の福間琇士氏が率いる窯の店内は、個性的で気取りのない器でいっぱいです。 黄釉にスリップ模様の皿、なまこ釉に指描きの大鉢、今ではすっかり名物のエッグべーカーは直火に掛けて半熟卵の作れるスグレものです。 |
| そして、湯町窯を訪ねたら見逃せないのが、もう一つ。 かつて頻繁に出入りしたという超有名芸術家たちの足跡です。 柳宗悦の書、山下清の絵、門前の表札は棟方志功の手によるものとか・・・。
二階には展示室もあり、民芸運動の息吹を垣間見られるかもしれません。 こうして居心地のいい民芸館のような湯町窯を後にしたら、温泉街の近く、玉作史跡公園の高台にある出雲玉作資料館にも足を伸ばしましょう。 古代出雲の玉作りのほか、江戸時代からの布志名焼も展示しています。 そして布志名の旅の仕上げはもちろん、温泉です。 玉造温泉には、日本一といわれる120坪の大露天風呂も待ってます！ |
 湯町窯は、スポイトを使ったスリップウェアが特徴。 写真協力：玉湯町観光・産業課 |