やきもの散歩<3> 渋谷・松濤周辺 | ||||||||
道玄坂を下って進み、今度はJR渋谷駅を境にして宮益坂を上ります。 途中、「べにや民藝店」に寄ったりしながら、青山通りを表参道に向けて少しだけ歩いてみましょう。 ゆっくり歩いても10分ほど、花茂ビルの手前を左に入った辺りが、やきもの好きための必須チェック・エリアです。 |
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幅広い年齢層の女性から圧倒的な支持を得ている器店「大文字」は、京都や有田などの磁器類が中心の品揃えです。 使いやすいオリジナルものに人気が高く、とくに染付の銘々皿には、つい手が伸びてしまいます。 |
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同じ染付でも、洋陶器となるとぐっと雰囲気が異なり、それはそれで興があるものです。 「リスティ」は、入口に染付の皿が埋め込まれていたりして、なかなか印象的な店構えです。 ロイヤルコペンハーゲンの逸品や年代物を確実にゲットするなら、都内でもここしかありません。 飛びっ切りこだわった自分専用のティーカップを見つけるのも、いいかもしれません。 |
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この付近には、ほかにも和洋問わずに陶磁器を扱う個性的なショップが、最近とみに進出してきています。お気に入りの器は、まずは根気よく、楽しみながら探すといいでしょう。 次の休日の午後、もし天気がいいようだったら、渋谷や松濤、また神宮前界隈をやきもの散歩してみませんか? 新鮮な感動や、意外な発見がきっとたくさんあることでしょう。 |
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ZOOM--UP <3> | |
出石(いずし)焼 | |
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「出石磁器トリエンナーレ」という名を耳にしたことはありますか? 日本で唯一の磁器のみの公募展で、人気作家が大賞を受賞するなど注目を集めています。
その主催地が、但馬の小京都といわれる兵庫県出石郡出石町、出石焼のふるさとです。 出石焼は、透き通るように白い磁器です。 肌に菊花などの彫模様だけを施した白磁の花器や茶器が伝統で、あえて絵をつけなかったところに、陶工たちの「白」への自信が窺えます。 そこで、出石焼を特徴づける白さのルーツをたどってみましょう。 出石焼の原料は、鉄分の含有料が驚くほど少ないといわれる柿谷陶石です。 この陶石は、磁土あるいは釉薬の原料として全国の作家にも好んで使う人が多い高級品。 江戸中期の、この柿谷陶石の発見が、「白磁の出石焼」の出発点となっています。 また、明治期に活躍した盈進(えいしん)社という窯の存在ぬきに出石の白磁は語れません。 この窯では鍋島藩の名工を雇い、士族の子弟に技術を習得させたのです。 勤勉優秀だった彼らは、元々白かった出石焼を、さらに清冽な白へと導いたのでした。 さて、城下町・出石を歩けば、そんな物語を秘めた史跡に出会えます。 藩士に登城を知らせた辰鼓楼もその一つ。 歴史に思いを馳せながら、現代の出石焼をぜひ旅してみてください。 写真協力:出石町産業振興課 |
白磁彫刻は成形後一週間乾燥してから施します。 出石の象徴・辰鼓楼(しんころう)、現在は時計台。 |