とっておき | |
★ WALKING POINTS ★ | |
小鹿田(おんた) (大分県日田市) | |
「残したい日本の音風景」に選ばれた唐臼の里 | |
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小鹿田(皿山)の里を訪れた印象を、「皿山はまさに現代の反律」と書いたのは、柳宗悦でした。 70年ほど前の言葉です。 驚くべきことに、この山間の陶郷は機械化を拒み、今も環境や生産工程のほとんどが当時の姿を保っています。 これは、おそらく全国でも唯一。 この夏話題になったアニメ「千と千尋の・・・」ではありませんが、まるで神隠しにでも遭ったように、そこは、不思議な感じのする陶工たちのユートピアなのです。 ゆるやかな川に沿って並ぶ10軒ほどの窯元。 点在する登窯と昔ながらの共同窯も現役です。 おばあちゃんからお嫁さんまで、庭先と唐臼を行き来して土作りをしているのは女性たち。そして、鳴り止まぬ唐臼の音・・・。 この唐臼は、水流を利用して土を砕く木製の道具です。 小鹿田では、各窯が数基を川に設置していて、その仕掛けの巧みさと心地良い音に、時が経つのも忘れてつい見入ってしまいます。 小鹿田焼は、国の重要無形文化財(団体)。 そして、唐臼の音色は「残したい日本の音風景100選」にも認定されました。 きっと一度は訪ねてみたい、ロマンに満ちた窯里です。 |
数軒が協力して焚く共同の登窯。手前は天日干し風景。 唐臼の先端。丸太の一部に水がたまると重みでザァッー。 写真協力:日田市経済部観光課 |
20世紀陶芸の神話 加守田章二展 第2章 生命のかたち 1970−1973 |
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栃木県・益子で陶芸家として自立し、成長した加守田章二の回顧展が、陶芸メッセ・益子の陶芸館で開催されています。 本展は、一昨年開催された「第一章 土の生命を求めて」に続くもので、再来年(2003年)に予定されている展覧と合わせての三部構成によって、不世出な陶芸家の足跡をたどろうとするものです。 とくに本展第二章では、この作家が絶頂期にあったともいえる頃の秀作、曲線彫文や彩陶など60点余が厳選され、展観されているために、早くも全国から衆目が集まっています。 また近年、加守田作品をまとめて鑑賞できる機会は多くなく、本展出品作のような佳作を直接鑑賞できることは、すなわち陶芸家・加守田章二の根源に触れることでもあります。 必見の、珠玉の展覧会になっています。 ●会期=9月15日(土・祝)〜11月25日(日) ●会場=陶芸メッセ・益子 ●電話=0285−72−7555 ●休館日=水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日) |
本展は、優れた加守田作品がまとめて鑑賞できる絶好のチャンスです。 |