カキベラはやや立てぎみに持ち、アタリ線に沿って少し削る
蓋に突起状の装飾を施している場合は手の平で包むように持つ
- 1.まずアタリ線に沿って軽くケズリさらに深く彫り進める
蓋の形状に合わせ厚みを揃えるように
- 2.本体は手ロクロの上に置き、蓋と同じようケズリを進め、底の厚み約5mm程度まで彫りこむ
- 3.仕上げは剣先カンナのお尻や側面を使い、軽くこするようにケズリこんでいくときれいに仕上がる
香合の場合、本体の深さは10mm程度とする。使用目的によっては形状はもとより、蓋と本体の切り離し位置も自由に設定できるが、蓋の厚みがあまり薄いと反りがでるので注意。
くりぬきによる蓋物は、小さいものであれば、様々な形に仕上げることができます。どのような形の場合も蓋の切り位置と蓋合わせが技術的なポイントとなるので、まず反りの出にくい切り位置を選ぶこと。次にくりぬきをおこなう蓋と本体のサイズを5mm以上はっきり差をつけ、ズレ止メをつけるようにする。ズレ止メをつける時、本体が乾き過ぎていると、収縮差が生じ、うまくひもの接着ができなくなります。ケズリからひもの接着までにあまり時間をかけずおこないましょう。 |
- 1.スベリ止メのひもは約3〜4mmの太さに伸ばす
粘土はあまり多く持たない
ある程度ひもになったら、両手の指先を使い、両手を外に広げるように転がし、太さを揃える
- 2.くりぬきの周囲3mm幅に剣先カンナや針を用い細かくキズをつける
- 3.キズをつけた上に薄く均一にドベを塗る
ひもの表面が乾き固くなると、いざ接着という時に細かく折れたりヒビが入り、うまく貼りつけることができないので、ひもを作る前に、まず作業台をよく湿らせます。
あらかじめ準備したひもは湿ったタオルに包み、乾きを抑えておき、キズ・ドベをつけた後、開口部の周囲に一周巻きつけるよう置く。この時、ひもの3分の1は開口部側にはみ出すように置いていく。
- 4.片手でひもの端を持ち、片方の指で軽く押さえ貼りつけながら巻きつける
- 5.ひもの3分の1が内側にはみ出すように
指先でしっかり押さえなじませる
- 6.内側に張り出しているひもの3分の1を指先を使い5mm程度下に向け塗りつける
塗りつけた粘土はさらにきれいになで、仕上げる
- 7.剣先カンナのお尻を使い、ひもの3分の1を下に向け押しつける
- 8.さらに押しつけた部分を取り除くため、剣先カンナのお尻の角を突起部分の付け根に当て、押しつけた部分のみを全てきれいに削っていく
この時、取り残しがあれば蓋がきれいに合わなかったり、ひもがはがれてくることもあるので完全に取り除くことが大切
- 9.蓋や本体の合わせ目を削ると隙間が生じ、きれいに合わなくなるので仕上げは湿らせた皮でこする程度にしておく
- 10.蓋を重ね合わせてみて、当たるところがあればどこかをよく確かめる
ひもと蓋が当たり密着しない場合は、まず蓋の側を少し削り、再度合わせる
但し、突起部分があまりにも大きい場合や、押しつけた粘土がきれいに取れていない場合はそれを直す
蓋物の乾燥は充分注意していないと、蓋が縮み合わなくなるので、必ず蓋を重ねた状態で日陰に置き、新聞紙などをかぶせ時間をかけ乾かす。
くりぬきの蓋物形成を通し、蓋のズレ止メをじょうずにつけるコツを学びました。蓋物は正しい指導がなければうまくいかず難しいものと思われがちですがコツが分かれば意外と簡単です。用途なども変え幅広くチャレンジしてみましょう。また丸や四角など変化の少ない形状には蓋を外す前に合印をつけておきます。外してしまうと合わせ位置が分かりにくくなります。
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