兵庫県を代表するやきもの丹波立杭焼は日本六古窯(信楽・備前・丹波・越前・瀬戸・常滑)の一つです。創窯は平安時代末頃から鎌倉時代初め頃、常滑焼の影響を受けて開かれました。桃山時代以前に作られた茶褐色の素地にビードロ状の自然灰釉が肩にかかった重厚な甕や壺類が「古丹波」といわれるものです。
名称については、桃山時代の穴窯が使われていた頃まで「小野原焼」の名で親しまれましたが、その後、登り窯へと移行し「丹波焼」、「立杭焼」と呼ばれるようになります。現在は「丹波立杭焼」の名称で伝統的工芸品の指定を受けています(1978年)。
登り窯の導入とともに取り入れられたのが足で軸木を蹴って回す蹴ろくろ(この産地独特の左回転ろくろ)です。また、赤ドベ・鉄釉・白釉・イッチンといった釉薬の研究も進み「丹波焼」は独特で多彩なやきものへと発展しました。
江戸時代には小堀遠州の指導を受けた優れた茶器が焼かれ、同時期「丹波焼」を代表する酒徳利も数多く生み出され大いに賑わいました。 | |
割竹式登窯 | |
(写真協力:今田観光協会) |