インターネット版 No.101 全1ページ
1 ・<repo> 陶房九炉土 第31回 作陶展 in 銀座


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 第31回九炉土展は
 装飾の原点「刷毛目・櫛目・布目」

 今年も陶房九炉土展が開幕。漆喰の白壁に囲まれた小さな美術館のような銀座の藤屋画廊に陶芸アーティスト・岡本立世氏の最新作を筆頭に、一門の作家60名による九炉土ならではの個性豊かな作品約300点が集まりました。
 九炉土展での楽しみの1つがビルの入口に設けられたショーウィンドウのディスプレイです。入口正面は大小の球体が積み重なったオブジェ、岡本立世氏の最新作が目を引きます。 毎年賑やかなディスプレイで楽しませてくれる通路の作品、今年はクリスマスプレゼントのようなカラフルなギフトボックスが幾つも重なった夢いっぱいのキュートなディスプレイでお出迎えです。 
 第31回となる今年のテーマは「刷毛目・櫛目・布目」。テーマからまず頭に思い浮かんだのは渋い伝統的な櫛目の壷や刷毛目の皿たち……。しかし、そこは九炉土流。陶芸装飾の原点ともいえる技法をテーマに千差万別、多彩なデザインの作品が会場内を埋め尽くしました。

岡本 立世  『 DISK TOWER 』
 岡本立世氏の今年度作は『DISK TOWER』 と題された、円盤に透かし穴が多数開けられたユニークな造形。「輝面」と「隠面」という相反するイメージが表裏一体となり、見る角度によって様々な表情を見せる作品です。これまで主流としていた金彩・銀彩に加え泥絵具を使用した今作は、淡い幻想的な色彩が追加され柔らかい印象を受けます。




長谷川 園恵 『 あけてあけて 』



松野 美紀 『 もこもこ 』



中川 篤史 『 P型水琴窟 』



 完成度の高さと展示数で圧倒、新しい装飾の形を提示する展覧会

 バリエーション豊かな作品が九炉土展の魅力ですが、作品数が多くなればその一つ一つのレベルを揃えることがどれだけ難しいかは容易に想像がつきます。それにもかかわらず九炉土展では常に一定の高いレベルで作品が揃うことに毎年驚かされてしまいます。 「刷毛目・櫛目・布目」という限定的な技法をテーマにしながらこのような多彩な作品を作り上げるには、デザイン性の高さが重要。展示作品を見ているとそう実感します。同じ技法でありながらそれぞれの作家の個性が存分に表現された独創的な作品の数々が並ぶ様子は装飾のデザイン帖を見ているような気分です。
















毎年感じることですが、作品数が豊富! 
どの作品も購入することができるので、「自宅に飾ったら……」、「お花を生けたら……」などと
想像しながら時が経つのも忘れてじっくり鑑賞。



























 ゆっくりと展覧会を鑑賞して通りへ出てみると外はすっかり日が落ちてイルミネーションがきれいな時間になっていました。九炉土展は27日をもって閉会しましたが、銀座通りにはイルミネーションの芸術が立ち並び世界の銀座であることを感じずにはいられない華やかさが溢れていました。
銀座イルミネーション〜復興の翼
銀座通りを彩ったのは被災地復興の願いを込めたイルミネーション。幸福・絆・力・未来・愛・夢をキーワードにデザインされた希望の翼のオブジェ35体です。オブジェには東北の子供たちによって「みんなが笑顔になる未来」の絵が描かれました。











会  場


アクセス
銀座 藤屋画廊
東京都中央区銀座 2-6-5 藤屋ビル2F(銀座通り)

地下鉄「銀座駅」 徒歩3分
有楽町線「銀座一丁目駅」 8番出口すぐ




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