インターネット版 No.70 | 全2ページ 1 | 2 |
1 | ・第11回「九炉土干支コンテスト」特集 ・・・ 部門大賞&入賞 入選作品いよいよ発表!@ |
2 | ・第11回「九炉土干支コンテスト」特集 ・・・ 部門大賞&入賞 入選作品いよいよ発表!A |
■上向きな全体の水準 |
今展で11回を数える「干支コン」のテーマは、十二支の真打を務める亥(猪)。 早いもので来年には、もう十二支をひと巡りしようとしています・・・・。 過去の出品作には、素朴でストレートな表現も多く見られました。 ところが、回を重ねる毎に全体の水準が上がり、公募展としての質は上向きのようです。 |
人気投票においては上位の数点で票を分け合う状況となり、残念ながらグランプリとなるほどズバ抜けて突出した作品が見当たりませんでした。また芸術性や技術の点から見ても他を圧する作がなく、その結果として今回は各大賞、審査員特別賞、人気賞などに別れて各々の秀作が受賞することになり、グランプリの該当作はありませんでした。 |
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「親子香炉(亥)」 (形) 塩崎ゆみ子さん 和歌山県和歌山市 |
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講評●同じ形部門のなかで、大賞受賞作と本作とで票を競り合いました。 とくにこの作品の胴から顔にかけての作り込みや、顔から鼻への流れがとても猪らしく巧みにデフォルメされています。 芸術性では大賞受賞作よりも本作に軍配があがり、審査員の評価も上でした。 ただ分かりやすさという点で票が割れたため、本作が特別賞の受賞と決まりました。 |
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講評●螺旋状に上っていく道を歩く様子にメルヘンを感じ、来場者の歓心を得て人気票を集めました。 表現の狙い目がしっかりとしているからでしょう。 また技術的にも一定の精度がなければ完成まで到達できない作と思われ、審査員からも相応の秀作であると判断されました。 | 講評●瓜二つの顔と猪の子供の瓜坊を掛けたシャレが、制作の原点となった作品です。 作品全体から感じられる微笑ましさが、人気投票で多くの票を集めた主因でしょう。 しかしその一方で、同じ顔を作る技術力にも確かなものがあると評価され、人気賞の受賞に結びつきました。 |
●実力伯仲の上位作 |
一般に猪のイメージはといえば、やはり牙をむいて走り回る獰猛な姿や、一途に突き進む性質でしょうか。 その反面、猪の子供・ウリ坊には可愛らしさや愛嬌すらあって、親しまれています。 そんな猪の持つ多彩な特徴が、今回の応募作にもよく反映されていて、工夫を凝らした様々な表情や形の猪たちが、会場一杯に並べられ賑やかな発表・展示となりました。 さて気になるのは、出品作を見た観覧者が投じた1340票(有効投票数)もの人気投票のゆくえです。 会場には、一次審査を通過した作品だけが展示されていますから、ほとんどの作品は一定レベル以上の完成度と水準にあるといえます。 とはいえ、どちらかといえば親近感や可愛らしさを効果的に表現した作品の方が、毎年、高得票を得る傾向にあります。 そしてその獲得数が、最終審査の結果に影響を及ぼすのは間違いありません。 ただしそれだけで評価されるのではなく、さらに芸術性や技術力、また表現力などが後に総合的に審査され最終的に受賞作品が決まりました。 今年度の応募作品全体を俯瞰した岡本立世総長(審査委員長)は、「例えば、猪の牙とか鼻などを部分的に作るだけでも作品として成立し、テーマとしては取り組みやすかったのではないでしょうか。 それだけに興味深い応募作も割と多くあって、今回は面白く見られましたね」とおっしゃっていました。 猪というキャラクターには多面性があり、しかもそれぞれの要素が強い個性によって支えられているような気がします。 そんな背景もあって、出品作全体のレベルは例年に較べても高く、秀作が数多く出された、いわば「当たり年」だったようです。 そして人気投票では、上位数点の作品で票を熾烈に分け合う結果となり、ダントツ人気の作品はありませんでした。 しかしそれは、高い水準での争いになった証しともいえます。 なかでも部門大賞を獲得した3作と特別賞の作品は、やはり見応えがあります。 ただ実力が伯仲しただけに、グランプリの獲得にまで届く、他を完全に圧する作がなかったのがやはり残念でした。 また人気賞を受賞した2作は、会場での一般投票で得票が集中したのはもちろんですが、技術や表現力も認められ、今回の栄冠に結びつきました。 いよいよ次回は、十二支目となる「子」がテーマです。 これまで思い描いたアイディアの総てを駆使して、グランプリ獲得を大いに期待します! |
講評●これまでの毎年の応募作を鳥瞰してみると、今回、オリジナル賞となった作品の作者には、個人の作り手として一貫した手法によるものが割と多く見られます。 他の応募者にはない独自性があり、しかも技術も身についています。 もう一歩踏み込んで過去の自己を凌駕する表現にさえ至れば、大賞受賞に結びつく作品ばかりでした。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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★ 佳作・入選は2ページに続きます ★ |