◆ 中仙窯 
◆佐賀県西松浦郡有田町桑古場
◆TEL:0955-42-2856
◆有田に現代作家は300名ほどいるといわれますが、中仙窯の中尾英純さんは、染付、なかでも「和紙染めぼかし」の技でよく知られた陶芸家です。 素焼素地に和紙をあて、呉須を染みこませて模様を描きます。 呉須の濃淡を制御することによって、装飾表現としての厚みが現れ、味わい深い作に仕上がります。
和紙染めによる染付のぼかしで、幽玄な雰囲気が表現されます。中尾英純作。
    
呉須の沈殿を、磁石を使って振動させて防ぐという産地ならではの道具を発見。 染付と和紙染めの作品が整然と並べられた
中仙窯の作品展示室は、白とブルーの世界
を演出。



■ 「和紙染め」に挑戦しよう! 

   誌上初公開!! 本場で学んだテクニック   
中尾英純●1956年佐賀県生まれ。
79年から佐賀県窯業試験場にて研
修。 95年九州・山口陶磁展NHK佐
賀放送局賞、2003年に西日本陶芸
美術展奨励賞など受賞。
日本工芸会正会員。
和紙染めを用いて作られた中尾さ
んの作。 独特な深みがあります。
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和紙染めは、ロクロ成形された素地に、自由に、様々な模様に応じた形と大きさに切ったり、ちぎったりした吸水性のある和紙を当てて、呉須を染みこませて装飾する技法です。 さらに同じ作業を2度3度と重ねて行うことにより、色の濃淡が表現でき作品に深みが加わります。
(実技協力・中尾英純)

@汲み出しの高台などに水を張っておく。
  ここが「ぼかし」のキーポイント。
A呉須を含ませた濃(だみ)筆の先に、
 1から水を含ませる。その加減が仕上
 がりを左右します。
B模様の形に切った和紙をピンセットで
  置く。

 C置いた和紙に筆先から触れ、呉須を
   吸わせる。
D同じ作業を2回、3回と繰り返し濃淡を
  出す。
E完成作。染付とは異なる独特の効果
  があります。

工房に素地や和紙染めの施された作品が並んでいました。


取材:2008年


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