丹波立杭焼 (たんばたちくい)
 
 その昔「丹波越え」といえば、駆け落ちの意味さえあったといいます。 それほど山深い谷間の地に、丹波立杭はあります。 さすが、800年の歴史を誇る日本六古窯の一つ。 旅への期待は大いに高まりますが、ところで、交通の便は・・・・大丈夫?
 現代では、訪ねるのはそう難しくありません。 JR福知山線の相野駅から車で10数分、丹波焼の拠点・兵庫県篠山市今田町に到着。 峠を越えると、川に沿って続く集落が見えてきました。 四方には緑の山並がけむり、約60軒の窯元が点在するさまは、いかにも古からの陶郷といった趣き。 こんな時が、旅の喜びを感じる瞬間です。
 さて立杭での定番ルートは、陶芸のテーマパーク「陶の郷(すえのさと)」各窯元巡りをする案です。 伝統の窯のほか、西端正氏や市野雅彦氏など人気作家にもご注目ください。
 そして、今回ぜひお勧め したいスポットが、「蛇窯(じゃがま)」と、「こんだ薬師温泉 ぬくもりの郷」です。 蛇窯は丹波焼に特徴的な登窯で、傾斜地に蛇がはい登るように築かれることからこう呼ばれます。 明治期の窯が今も使われ、ド迫力です。 旅の最後をしめくくるのは「丹波焼陶板風呂」で決まり。 なんと、湯船も床も丹波焼なんです!   
伝統的な焼締めから釉薬ものまで、多彩な現代の丹波焼。

写真協力:今田観光協会
 
丹波特有の窯は無段の割竹式登窯です。
取材:2004年
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