越前焼 (えちぜんやき) 
 越前焼といえば日本六古窯のひとつで、中世から続く北陸最大の産地です。 といっても六古窯に加わったのは、昭和になってから。 それまでは「越前焼」の名もなかったそうで、ちょっと意外です。 そういえば越前焼の本拠地は福井県丹生郡越前町かと先走り、その実、宮崎村や織田町だったのでとまどったことがありました。 中心施設「越前陶芸村」も宮崎村にあります。 そこで、今回は、越前焼の名前のルーツにズーム・アップ!
 それは昭和23年のこと、「国立博物館ニュース」にある論文が発表されました。 古陶磁研究家の小山冨士夫が、それまで謎に包まれていた古越前の重要性を説いたのです。 これがきっかけとなって、越前のやきものは六古窯に加わることになりました。 また当時、散在する窯の地名から平等焼、織田焼、熊谷焼などと呼ばれていましたが、小山はこれらを総称して「越前」としました。 これが、越前焼の名前のルーツ、以来、衆目を集めるようになったのです。
 さて、そんな越前を訪ねるなら5月がおススメ。 越前陶器まつりが開かれます。 寒風吹きすさぶ冬もいいですよ。 なぜって越前ガニに甘エビの美味な季節、海岸線には可憐な水仙も咲き乱れます。 どうです。 旅の支度、さっそくはじめませんか!

6日間も焚く穴窯。越前では多く見かけます。

写真協力:福井県ビジネス支援センター


陶芸まつりでは市価の2〜3割はおトク!
取材:2003年
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