全国旅手帖笠間焼(歴史・特徴)

笠間焼写真 笠間焼タイトル

 笠間焼は江戸時代の中頃、箱田村(現在の笠間市)の久野半右衛門道延が信楽から陶工長右衛門を招いて築窯したのが始まりとされています。良質の原料が豊富な土地であったことに加えて藩の援助も受け、恵まれた環境の中で順調に生産されました。二百年以上も続く長い歴史の中では、生活様式の変化等から需要が減るという不遇の時代も経験しましたが、県立窯業指導所の設立、笠間陶芸団地造成、また北大路魯山人邸(鎌倉市)を芸術村に移築するなど笠間焼を盛り上げようとする力強い活動によって、関東最古といわれる窯は守られています。
 一大陶産地へと発展した笠間(茨城県笠間市)は、都心から最も近いやきものの故郷だといえます。
 東京・上野駅からJR常磐線の特急に乗れば、笠間のもう一方の玄関口・友部駅まではおよそ70分ほど。さらに友部で水戸線に乗り換えて笠間駅まで行っても、ほんの10分ほど。移動の途中の退屈さを感じる前に、目的地に到着する距離です。
 また、笠間駅と友部駅の間は、いくつかの陶芸スポットや観光施設などを経由しながら、無料の「笠間周遊バス」が運行(月曜日=運休)していますから、時刻を合わせて上手に利用すればすこぶる便利でお得です。  多少体力に自信があるという方なら、笠間駅前の観光案内所にレンタサイクルがあり、こちらは時間に拘束されず気ままにあちこちを走り回れて、足としてとても小回りが利きます。幸いにも陶芸関連施設や窯元、ギャラリーなどは、広範囲に散在しているわけでもありませんから、暖かな春風を全身に感じながら陶業地を走り回るのも、なかなか爽快です。

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